高畑: わたしはCMOというポジション自体が重要だとは思いません。いわゆるCMOというのは会社の戦略の中で、マーケティングを非常に重要なものだと位置付けながら統合していく人です。
ところで、ソーシャル担当者とSEO担当者では、そもそも使っている言語が異なります。まったく思想が異なっているのです。まず、この共通言語化をやらないと絶対に無理です。そのためには本当の意味でのユーザー視点を追求しないとダメだろうなと思っています。例えば、当社の社員全員が当社のサービスをユーザーとして使っていますかと聞かれたら、正直、「はい」って言えないんですね。
自分がユーザーになって、このサービスに何を求めるのか。「お客さんのために」ではなくて、お客さんの視点から自分の会社の将来を見るような文化にしないと、マーケティング活動としての言語は統一できません。そうなっていないとCMOは置きにくい。形式的には置けますけれどもね。
小沢: もし社内にCMOを置かなければならないとしたら、最初の一手として何をしますか?
高畑: ユーザーにさせます。とにかく社員に自社のサービスを使わせますね。そこから始めないといけない。
甲斐: 接してみないと分からないということもありますから、まず複数のメディア接点というものに携わらせてみて、それから地味に育てていくということしかないのかな。
小沢: いま、お二人からそれぞれのコメントがありましたが、実際に経営者としてコミットしていただけますか? デジタルマーケティング活動というものを最適化していく、組織や文化自体を変えていくとなると、経営者がそこに一歩足を踏み込んでコミットしていくことが必要だと思います。
高畑、甲斐: はい、コミットします。
(後編「注力すべきはペイドメディア? それともオウンドメディア?」につづく)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング