企業の財務責任者に聞く、今後の景気はどうなる?

» 2013年06月11日 14時27分 公開
[Business Media 誠]

 日本経済の景気について、企業の財務責任者(CFO)はどのように感じているのだろうか。今後1年間の景気を予測してもらったところ「景気がよくなる(著しく+やや)」と答えたのは67%で、昨年の35%から大幅に改善していることが、アメリカン・エキスプレスの調査で分かった。

 日本以外の国をみると、欧州を除き、多くのCFOは自国の景気回復・拡大に対して楽観的な考えを示した。特にブラジル(100%)やメキシコ(81%)などのラテンアメリカ、中国(94%)、インド(78%)、シンガポール(77%)といったアジア諸国では自国の経済成長への自信がうかがえた。

今後1年間の景気について(出典:アメリカン・エキスプレス)

 景気への明るい見通しを受け、日本のCFOの80%は「今後1年間で、M&Aを積極的に行う」と回答。また、56%は「社員数を増やす」と答え、採用についても回復傾向にあることが明らかになった。これは昨年の38%と比較して、大幅な改善となった。

(出典:アメリカン・エキスプレス)

財務部門の役割や影響力

 財務部門の役割や影響力が拡大していると感じている人はどのくらいいるのだろうか。全体の64%は「感じている」と回答(日本は50%)。また日本のCFOの80%は「企業が顧客により高い価値を提供するために、以前にも増して財務部門が貢献することになるだろう」と答えた(世界平均84%)。

 この調査結果を受け、ジェネラル・マネージャーのバイロン・マーミキディスは「多くの項目で日本の景気が回復傾向にあり、今後の国内経済に明るい兆しがうかがえた。そのような中で、高い成長目標を掲げ、M&Aなどを強化していく企業のCFOは、今までの役割・業務に加えて、組織のさらなる成長に貢献すべく、今後はより大きな役割を担うことが求められるだろう」とコメントした。

 インターネットまたはインタビューによる調査で、米国、カナダ、中南米、欧州、アジ、オーストライアなどの企業で働くCFO519人が回答した。調査時期は3月。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.