「夢を持て」という言葉が罪作りな理由サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」(1/3 ページ)

» 2013年06月10日 07時50分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

連載「就活・転職のフシギ発見!」とは?

 就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。

 使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。

著者プロフィール:サカタカツミ

 クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』『就職のオキテ』がある。

 個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントに辛いです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata


焼きそばが夢にまで出てくる筆者がお届けするコラムです

あの頃、「あまちゃん」を見て無性に焼きそばが食べたかったんですよね……あ、駅構内の店は、立ち食いではありませんでした(写真と本文は関係ありません)

 ある打ち合わせの席で、「最近、袋麺タイプの焼きそばがコンビニから姿を消してしまった」と私がボヤいていると、「ここに行けば売っているかもしれませんよ」と、編集長の吉岡綾乃さんが親切(?)に教えてくれました。その数日後、綾乃さんが某SNSに「立川の駅構内で、駅そばならぬ駅焼きそばを見つけたので食べてみました」と書いているのを見かけたのが悪かったのでしょうか。

 その日の夜、夢に焼きそばが出てきたのです。我ながら、夢にまで見るって凄いでしょうと感心しつつ、就活において「夢」という言葉は、多くの人を惑わせているなと、改めて考えてしまったのです。


中学生への講演を頼まれると、最初に話すのは「夢」のこと

 仕事柄、キャリアについて講演してほしいと依頼されること少なくありません。人前で話すのがあまり好きではないのでお断りすることが多いのですが、積極的に引き受けたいと思っているケースもあります。それが「中学生」に対してキャリアの話をすることです。

 前回のコラムにも書きましたが(参照記事)、就活するというタイミングになってから、仕事やキャリアのことを考えるのは、少しタイミングとしては遅いのです。ビジネスパーソンには言わずもがなですが、仕事をする上では、それまでの積み重ねがとても重要です。就活とは、厳しい言い方をすれば、今の自分は過去の自分の成果であるということを認識させられる瞬間でもあります。だから、早めに話ができる機会を逃さないようにしようと、個人的には考えています。

 私が中学生に話すことはとてもシンプルです。まず「夢」について。もちろん、夢は大切だとか、それを持つことが人間には必要である、という話をするのではありません。その言葉の持つ意味と、そこから生じる誤解を解くところから、話し始めるのです。

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