なぜこの「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」について長々と説明したかというと、これから「インフレの時代」になりそうだからです。
アベノミクスではまず「2%の物価上昇(インフレ)」を目指しています。インフレとはモノの値段が上がることであり、それはすなわちお金の価値が下がることです。
「今日の100万円と10年後の100万円の価値は違う」とよく言われます。
インフレの世界だと、今の100万円のほうが10年後の100万円よりも金利と物価上昇率分だけ価値が高いことになります。
つまり、今日よりも明日のほうがお金の価値が下がるのですから、先に支払ったほうがいいことになります。インフレ社会では、ランニングコストとして後から払うより、できるだけイニシャルスコトとして最初に支払った方がよりお得ということになります。
逆にデフレ社会ならば、今日よりも明日の方がお金の価値が上がるのですから、なるべく後から払ったほうがお得になるというわけです。
先に述べた「毎月3万円のランニングコスト」は、「40年間で1440万円にもなる」と言いましたが、もしこれに年率2%のインフレ率を考慮すると、なんと「40年間で2174万円」にもなります。これは、家一軒分以上になりますね。
インフレ時代にはマンションの管理費や光熱費などの、後々かかるランニングコストは時間の経過とともに値上がりしていくことを考慮しておいたほうがいい、ということです。
「いつやるの? 今でしょ!」というフレーズが流行っていますが、これはまさにインフレ時代の象徴です。
インフレ社会では、先に払ったほうが得。だからモノがよく売れる。デフレ社会では、後で払ったほうが得。だからモノが売れない。
シンプルに言うとそういうことです。今日より明日のほうがモノの値段が安くなるデフレの時代なら、「いつ?」と聞かれても「まだ先でしょ!」ですからね。(川瀬太志)
※この記事は、誠ブログの世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる:「イニシャルコストとランニングコスト、先に払うか後で払うか、どっちがお得?」 〜ランニングコストでこれから注意すべきこととは?〜より転載、編集しています。
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