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» 2013年06月05日 08時00分 UPDATE

ビジネス英語の歩き方:BBAって何? 「少年よ大志を抱け」とあいまいな日本語 (1/2)

クラーク博士の「ボーイズ ビー アンビシャス」というフレーズは、多くの日本人が知っていることでしょう。でも、英語として読むと何だか違和感がぬぐいきれないのです。

[河口鴻三,Business Media 誠]

「ビジネス英語の歩き方」とは?

英語番組や英会話スクール、ネットを通じた英会話学習など、現代日本には英語を学ぶ手段が数多く存在しています。しかし、単語や文法などは覚えられても、その背景にある文化的側面については、なかなか理解しにくいもの。この連載では、米国で11年間、英語出版に携わり、NYタイムズベストセラーも何冊か生み出し、現在は外資系コンサルティング会社で日本企業のグローバル化を推進する筆者が、ビジネスシーンに関わる英語のニュアンスについて解説していきます。

 →「ビジネス英語の歩き方」バックナンバー


 日本列島の大部分は、梅雨に突入。雨模様の日が続いています。そこで今回はあえて、梅雨のない北海道の話題を取り上げましょう。

 北海道といえば、北海道大学(北大)。北大といえば、クラーク博士。クラーク博士といえば、「BBA」です。何だそれ? 私もこの原稿を書くために調べていて、初めてBBAという言葉を知りました。

 BBAといっても、AKBの新しいライバルではありません。ほとんどの日本人が知っている有名な英語フレーズ、それがBBAの正体でした。

Boys be ambitious.

 「少年よ大志を抱け」というクラーク博士の言葉です。北海道のインテリは、これをBBAというのですね。もっとも北大関係者だけかもしれませんが。いずれにしても日本語の響きもいいですし、英語のシャープな感じもいいですね、これは。アンビシャスという音も、何となく人を元気にするものがあります。

 英語と日本語がペアになったこの有名なフレーズ、実はいくつかの問題を抱えています。私はだいぶ前から、違和感を持っていました。メッセージに対してではなく、どうも英語の文章として変な感じをぬぐえないのです。

コンマの有無に無頓着な日本人

 このフレーズが、ある意味でブランドメッセージになっている北大の附属図書館が開設しているWebサイトにこんな文章が載っていました(参照リンク)

“Boys, be ambitious!”について

 

この数年「Boys be ambitiousに続く言葉について知りたい」という問合わせが多くなった。調べてみると,高校や中学の教科書の中にも次のような言葉をのせたものがあるようである。

 

 “Boys, be ambitious! Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, not for that evanescent thing which men call fame. Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.”

 

(2013年6月4日時点での引用)

 ここで取り上げたいのは、この有名な短い英語の文章に現れた日本人の英語問題です。まず、冒頭に「Boys be ambitious」と出てきます。この英語フレーズをみて、英語ネイティブたちは非常に奇異な感じを受け、居心地の悪さを覚えるはずです。

 本来は、

Boys,

と、Boysのあとにコンマを打ち、一拍おいてからbe ambitious.と続きます。「どっちでもいいでしょう、そんなこと」とつぶやいた読者も少なくないでしょう。でも、そうはいかないのです。完全なる間違いになってしまうからです。

 事実、引用文では、ちゃんとコンマが入っているじゃありませんか? クラーク博士のメッセージをテーマに取り上げている文章で、こういう矛盾というか間違いを見過ごしてしまう。実はそれが日本人なのです。

 以前、日本語には明治後期まで、句読点を使うという常識はなかったと書きました(参考記事)。そうなんです、句読点について日本人は、どうも鈍いのです。鈍いから英語でもついうっかりしてしまう。それが現実です。

 実は、少し意味が違ってくる程度では終わらない話ので、つい取り上げたくなってしまうのです。

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