「ツートップとして大々的に宣伝されたため、GALAXY、Xperiaのどちらも認知度が上がった感じですね。どちらも『指名買い』が以前よりも増えました。あまりスマートフォンに詳しくないお客様の場合ですと、『ツートップ(GALAXYとXperia)のどちらがお奨めか』というように質問されます」(大手家電量販店 幹部)
鳴り物入りで始まったドコモのツートップ戦略だが、Xperia AとGALAXY S4が出そろった5月最終週の滑り出しは上々。各販売店の声を聞いても、"手応え"はあるようだ。
しかし、その一方で、ツートップ戦略への危惧があるのもまた事実だ。一部の販売店からは「(ツートップとなった)GALAXYとXperiaの初動はいいが、他メーカーの夏モデルの引き合いはむしろ減っている。総需要そのものは変わらず、単に売れ筋が偏るだけで終わるのではないか」という声も聞こえてくる。
さらに今回ツートップとして選ばれた2機種が、本当に今の市場環境やユーザーニーズに合致しているか、という課題もある。
現在、スマートフォンの主な購入者層は「携帯電話からスマートフォンに初めて買い換える一般層」に移ってきている。グローバルなハイエンドモデルよりも、日本のケータイユーザーのニーズをうまく取り入れた"ケータイっぽいスマートフォン"が求められているのだ。そう考えて今夏のラインアップを見渡すと、ツートップとなったSONYのXperia Aに加えて、シャープの「AQUOS Phone Zeta SH-06E」やパナソニック モバイルの「ELUGA P P-03E」も魅力的で今の市場環境に合致している。とりわけAQUOS Phone Zeta は低消費電力・高解像度のIGZO液晶搭載に加えて、端子部分をフタで覆わなくても防水性能を実現するキャップレス防水に対応。製品としての出来栄えは、GALAXY S4やXperia Aよりも日本のケータイユーザーのニーズに合致した優れたスマートフォンとなっている。しかし、同機は「ツートップに選ばれなかった」という一点で、販売現場では不利な扱いをされてしまうのだ。これはもったいないことだと、筆者は思う。
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