最近、自宅を“開く”人が増えている――その魅力とはこれからのことがよく分かるコラム(5/5 ページ)

» 2013年05月31日 00時00分 公開
[池本洋一,Business Media 誠]
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価値観は「人との調和・信頼関係」へ

 かつて、ご近所同士がお互いの家を気軽に出入りしたり、隣近所の人々が集まって食卓を囲むことが当たり前だった時代がありました。戦後、急激な核家族化と職住地域の分離が進み、地元での人のつながりが薄まり、隣人の顔と名前が一致しないという状況も珍しくなくなりました。

 ただここ数年、近所のつながりや程よい地域コミュニティをつくる機運が復活しつつあります。こうした動きは住宅分野でも表面化してきました。賃貸分野ではシェアハウスが本格化し、マーケットはこの3年で2倍になったとか。

 分譲に目を向けると、マンション内の共用部で自然と交流が生まれるようなコミュニティデザインを研究・実装したり、デベロッパー主催で住民交流イベントを実施するなど住民同士の交流きっかけをつくる動きが加速化しています。また注文住宅分野では、屋上リビングを標準化し、パーティ型コミュニティを提案するメーカーなども現れています。

 豊かさとの基準は「金・モノ」から「人との協調や信頼関係」へ。社会や人とつながっていることが何よりも幸せ――という人も増えています。住宅というハコも、その利用法も、少しずつ変貌を遂げています。

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