コラム
» 2013年05月30日 08時02分 UPDATE

相場英雄の時事日想:もう止めないか? 実態と違う、日本独自の燃費“規格” (1/3)

「1リットル=30キロメートル達成!」――こんな広告を見るたびに、不信感を覚える人も多いのでは。広告やカタログに載る燃費と、実際にユーザーが走行した際の数値に大きな隔たりがあるのに、なぜ日本は独自の燃費規格を掲載するのだろうか。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『震える牛』(小学館)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『鋼の綻び』(徳間書店)、『血の轍』(幻冬舎)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 『1リットル=30キロメートル達成、クラス最高の低燃費実現!』……。

 テレビや新聞に主要自動車メーカーのエコカーの広告が載るたび、多くの読者はこんなあおりコピーを目にするはず。低燃費がウリのエコカーだが、広告やカタログに載る燃費と、実際にユーザーが走行した際の数値に大きな隔たりがあると感じる向きは少なくないはず。

 どの程度の消費者が不満を感じているかという統計はないが、実はこうした事態に対応するため、業界団体が動いていた。だが、その内容は「?」と言わざるを得ないものだった。今回は、クルマの燃費を巡る話に触れてみる。  

日本自動車工業会が“解説冊子”を発行

 過日、長年のネタ元である証券会社のアナリストから一通のメールが私に届いた。そこにはこんな主旨の言葉が盛り込まれていた。『悪い冗談かと思ったが、どうやらマジメに作った冊子らしい』……。

 このアナリストの担当は自動車と関連部品。クルマ会社や部品メーカーの製品や経営全般を20年以上ウォッチしてきたプロが、なにを感じたのか。

 届いたメールには、アドレスが添付されていた。以下がその内容だ。

 『気になる乗用車の燃費〜カタログとあなたのクルマの燃費の違いは?〜(参照リンク、PDF)』  

 詳細は日本自動車工業会のテキストを読んでいただきたいが、要するにカタログに提示されている燃費と、ユーザーが実際に走行した際の数値との乖離(かいり)が大きいため、これを業界全体で説明せざるを得なくなったという構図。嫌みな私はそう受け止めた。

yd_car1.jpg 広告やカタログに載る燃費と、実際にユーザーが走行した際の数値に“大きな隔たりがある”と感じている人も多いのでは(写真はイメージです)
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