同関係者は、周囲を見回したのち声のトーンを落とした。
「どのLCCに乗るか、使用頻度の高い機体を調べたほうが良い」……。
私は航空業界の事情に疎い。関係者がなぜ声を潜めたのか、そして使用頻度の高い機体とはどういう意味なのか。意味が分からないので、詳しく教えてほしいと告げた。すると、次のような答えが返ってきた。
「機体とは、A社、B社のような大きな航空機メーカーの飛行機のこと。国や路線によっては、A社が多い場所、一方ではB社が優勢な地域がある」
以下、この関係者は実名で航空機メーカーを挙げた。本稿では、詳細な取材や当事者であるメーカー、あるいはLCCに実際に取材したわけではないので、伏せ字のままとさせていただく。関係者は、さらに話を続けてくれた。専門的なネタもあったので、私なりにそしゃくした上で触れてみる。
LCCは、座席の幅を詰めて大量の乗客を搭乗させるほか、客室乗務員が機内の清掃作業を兼務するなど徹底したコストカットで料金を下げる努力を行っていることは多くの読者がご存じの通り。
だが、この関係者によれば、他にもコストカットが厳しい分野があるというのだ。それは、乗務員によるサービスではなく、機体の保守・点検の分野にも及んでいるとか。
もちろん、日本を始め諸外国の航空機の保守基準は厳しい。当然、手抜きや不具合が見つかれば、各国監督当局から厳しいお咎(とが)めを受け、最悪の場合は運行停止を命じられることは明白。空の便で手抜きなどやられたらたまらない。当然、LCCも各種サイトなどを通じて安全面での不安はないと一様に胸を張っている。
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