売上を伸ばしているのにはワケがある――エキナカ自販機の裏側仕事をしたら“知見”が蓄積された(前編)(6/6 ページ)

» 2013年05月15日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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梅雨を軸に季節を分けている

JR東日本ウォータービジネスの笹川俊成さん

土肥:さきほど「飽きられた」という話をされましたが、そういう意味では消費者のニーズがより短いサイクルになっているということでしょうか?

笹川:ミネラルウオーターや緑茶など、こうした定番商品には固定ファンがいます。「こういうシーンでは、この商品を購入する」といった感じですね。ただ果汁やおやつ系の飲料については、リピーターが少ないんですよ。「飲みたいときに、瞬間的に買う」人が多い。長期間に渡って売れるモノでもないので、商品をうまく切り替えながら、常に新しいモノを提案することが大切になってくるんですよ。

土肥:笹川さんは春・夏のお話をされていますが、春は3〜5月で、夏は6〜8月ですか?

笹川:いえ、暦で分けているのではなく、梅雨を軸にして考えています。梅雨になるまでが「春」、そして梅雨明けが「夏」といった感じですね。

土肥:梅雨が明けると、どのような商品が売れるのでしょうか?

笹川:炭酸飲料が急に売れ始めますね。またスポーツドリンクも売れ始めます。

土肥:でも炭酸飲料もスポーツドリンクも、年中販売していませんか?

笹川:春の時期でも炭酸飲料やスポーツドリンクを購入される人はたくさんいらっしゃいますので、単純に外すわけにはいきません。ひとつのカテゴリーの中で、同じ商品を売り続けるのではなく、春に売れそうなモノ、夏に売れそうなモノ――フレーバーを替えていくといった考え方です。例えば、夏にはスッキリした柑橘系の商品を投入して、春にはもう少し甘めの商品を販売する。少し味を変えていく、といったイメージですね。

土肥:なるほど。お話を聞いていると、飲料はやはり気温によって大きく左右されるんだなあ、と感じました。「気温が○○度になったからホット飲料がよく売れる」といったデータはあるのでしょうか?

笹川:実は、あるんですよ。

土肥:ほほー。ぜひ、お聞かせください。

つづく

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