土肥:一度購入したお客を逃さない工夫? それはどういったことでしょうか?
笹川:自販機というのは一般的に、春・夏と秋・冬で、品ぞろえを大きく変えています。春・夏というのは3〜8月、秋・冬というのは9〜2月のこと。そしてこの期間に、売れる商品をしっかりと売っていく、という考え方なんですよ。もちろん、途中で新商品が出た場合には、差し替えることもありますが、基本的には同じモノを販売しています。
ただ、そうした考え方に疑問を感じていました。私たちは小売業なので、“鮮度のある売り場”がやっぱり重要ではないか、と。半年間もずっと同じ商品を売り続けるのはどうか、と。春と夏に商品を替えるというのは、ものすごく大変な作業が発生するのですが、昨年は商品を入れ替えてみたところ、売り上げが「ぽこっ、ぽこっ」と上がったんですよ。
土肥:どんな商品が「ぽこっ、ぽこっ」と売れたのですか?
笹川:下の図を見ていただけますか? これは果汁炭酸の売上推移で、一昨年は青色のグラフ。半年間売り続けたところ、気温に合わせて売れているのが分かりますよね。いままでは「これでよし!」とされていたんですよ。
しかし昨年の春には季節感のある商品(果汁MIX)を投入して、夏には夏を感じられる商品(日向夏)に差し替えました。その結果、2つの山が「ぽこっ、ぽこっ」とできました。
土肥:確かに「ぽこっ、ぽこっ」と。
笹川:繰り返しになりますが、春・夏に商品を差し替えることはオペレーション上難しいことなんです。しかし春には春の、夏には夏の商品を投入することが大切ではないか、ということが分かってきました。
果汁炭酸だけではなく、果汁紅茶や乳性炭酸でも同じことを試みたところ、2つの山が「ぽこっ、ぽこっ」とできて、結果的に売り上げを伸ばすことができました。
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