女性をさらって「監禁」する男たちに、共通する「病」とは?窪田順生の時事日想(1/4 ページ)

» 2013年05月14日 08時00分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]

窪田順生氏のプロフィール:

1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。


刑務所のタブー』(宝島社)

 先週、オハイオ州クリーブランド市西部のシーモアアベニューの民家で、3人の女性が10年間も監禁されていたという衝撃的なニュースが飛び込んできた。

 犯人は元スクールバス運転手のアリエル・カストロ被告(52)。女性たちに暴行を繰り返し、妊娠したら腹を殴るなどして流産させていたこの鬼畜は、普段はもの静かで、趣味のサルサバンドのバンド仲間を招き、近所の人とバーベキューなんかもしていたという。

 それを聞いて、かなり驚いた。私がよく知る「監禁男」と180度真逆の社交的なキャラだからだ。

 その「監禁男」の名は、佐藤宣行。2000年1月、誘拐した小学4年生の少女を9年2カ月間、自宅で監禁をしていたとして逮捕された男である。

 プロフィールにもあるとおり、私はこの事件について本を出しているのだが、それをムショの中で佐藤本人が読んだことをきっかけに、手紙のやりとりを続けている。我々の関係については、最近も『刑務所のタブー』(宝島社)という本に詳細を書いているので、もし興味があれば読んでいただきたい。

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