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» 2013年04月26日 08時00分 UPDATE

気鋭の経営者に聞く、組織マネジメントの流儀(3):部下の意識を上げるにはどうすればいい? パタゴニアの事例 (1/5)

「部下の仕事に対する意識が低くて困っている」といった悩みを抱えている人も多いだろう。日々の仕事をこなしながら、部下の意識を上げるにはどのようにすればいいのか。パタゴニアの辻井支社長に、解決策を聞いた。

[Business Media 誠]

気鋭の経営者に聞く、組織マネジメントの流儀:

 厳しい経営環境が続く中でも、独自のスタイルで成功している企業がある。そんな企業に共通するのが「組織力」ではないだろうか?

 組織がまとまっていることで、企業の成長スピードも変われば、社風そのものが対外的に発信されやすくなり、ブランドイメージの差別化にもつながる。

 そこで、本企画では「組織力」で勝ち残っている企業の経営者をお招きし、「組織をまとめるために意識していること」や「組織マネジメント」についてうかがい、どうやって組織力を高めれば良いかを考える。組織マネジメントの学術書『U理論』の翻訳者、組織マネジメントコンサルタントの中土井僚氏が、パタゴニア日本支社長・辻井隆行氏に話を聞いた。全3回でお送りする。


部下の意識を上げるには

中土井:前回、部下とのゴールの共有が大切だというお話がありましたが、その中でも特に辻井支社長が大事にしていることはありますか?

辻井:ゴールを共有するためには、お互いに話し合ってすり合わせていくことが必要ですよね。スピードが速すぎるのではないか、ちょっと方向が違うのではないかという人がいたら、話をよく聞いて落としどころを決めていく。そして、短期的なゴールであれば、なんとなくのゴールではなくて、明確な測定可能なゴールにすることです。必ずしも数字というわけではありませんが。

中土井:辻井さんご自身は、パタゴニア本社の方針と部下からの思いのすり合わせはどのようにやっていらっしゃいますか。

辻井:創業者のイヴォンがなぜ会社をやっているかといえば、環境問題の大きな要因となっている資本主義のあり方を変えたいからです。最終製品さえ良ければいいわけではなく、環境へのインパクトは最小限にしつつ、関わる人にはなるべくいい条件で全体がワークするようなビジネスモデルをつくりたい――。

 パタゴニアはその道具であるという考え方で、これは変わりません。それが前提にありながら、本社から聞かれる日本の状況について、私なりの考えを伝えます。

 一方で、多くのスタッフは日々の仕事がベースにありますから、現状を変えることに怖れを感じやすいはずです。例えば、ストアのスタッフであれば、近くに新店舗を出したら、お客さんの取り合いになってしまわないだろうかとか。そういうときは、私が考える未来を伝えるようにしています。私の思うゴールを伝えるときは「何でもいいからやれ」ではなく、私なりに考えている理由を伝えながらすり合わせていく感じです。

中土井:自分の思っているゴールと部下の思うゴールとの間に埋めがたいギャップがある場合にはどうしたらいいのでしょうか? 部下の意識が低い場合もあると思うんです。

yd_taidan3-1.jpg 組織マネジメントコンサルタントの中土井僚氏(左)とパタゴニア日本支社長・辻井隆行氏(右)
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