こういうアングラビジネスをしている人たちを取材していると、実はこの「面倒くさい」というのが非常に大きな意味をもっていることに気付く。
ヤミ金を取材していた時、よく聞かれたのが、「その辺にいくらでも無人契約機もあるし、クレジットカードのキャッシングもあるのに、なぜヤミ金をつまむ人がいるんですか?」というものだが、これも「模造医薬品」に手を出す人と同様に結構多い。
少し前、風俗嬢がヤミ金から3万円を借りている場面を見た。ヤミ金は一応金利の説明なんかをしていたが、風俗嬢はまったく聞く耳をもたなかった。よほど早くにカネが欲しいのか、イラついた感じでこう言い放った。
「で、1週間後にいくら返せばいいわけ?」
目の前の3万円が手に入ることしか頭にないので、利息だ契約だなんてうざったい説明はハナから必要ない。そういう人たちは当たり前だが、「消費者金融に行くのが面倒くさい」。だから必然的にヤミ金の顧客となる。
「面倒くさい」は「いかがわしい」を凌駕する――。そんな「顧客心理」によってアングラビジネスは成り立っていると言っても過言ではない。
というよりも、実はこのセオリーはカタギの世界でも成立する。
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