土肥:会社を経営されて、どんなことに苦労されましたか?
窪田:新薬を開発する際、たくさんの化合物をつくらなければいけません。ただなかなかうまくいかず、会社の資金が底をつきかけたとき、社員の半分ほどが辞めてしまいました。「こんなリスクの高い仕事には付いていけない」といった理由で。そのときは苦労しましたし、悲しかったですね。でもそこは前向きに考えました。「まだ半分ほどの人は、付いてきてくれている」と。
また新薬を開発することに、疑問を感じていたのは社員だけではありません。投資家の中にも「できもしないのに、お金を集めているのではないか」という人もいました。私は「できる」と思っていたのですが、他人からみると「無理」と思っていたのでしょうね。
土肥:前編でも紹介しましたが、新薬ができる確率は3万分の1ですよね。そんな数字を知ると、お金を出している側も心配になりますよ。「新薬、まだできないの?」といった感じで。
窪田:そう思われても仕方がありません。それまでに実績を残していれば「窪田が言っていることなら大丈夫だろう」と思ってくれるかもしれませんが、当時はまだ実績がほとんどありませんでしたから。
でも、残った人たちで力を合わせて、新薬の開発に必要な化合物を見つけ出すことができました。
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