日本人でも間違える敬語表現って?日本人が気づいていないヘンな日本語(2/2 ページ)

» 2013年04月09日 08時00分 公開
[デイビッド・セイン, 長尾昭子,Business Media 誠]
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敬語の「お」と「ご」の使い分け方

book 『日本人が気づいていないちょっとヘンな日本語』(アスコム)

セイン:敬語をマスターするコツは、何かありますか?

長尾:基本的には使ってみて、失敗しながら慣れていくしかありません。セインさんがおっしゃっている英語の上達法と同じです。

 でも、いくつかポイントはあります。そのルールを覚えておけば、少なくとも簡単なミスは防げますよ。

 例えば「身内とモノには尊敬語を使わない」というルールがあります。よい例と悪い例をまとめてみましょう。

[尊敬語の間違った使い方]

  • ○「兄は銀行に勤めています」
    ×「お兄様は銀行にお勤めです」
  • ○「部長が戻ったらお返事させていただきます」
    ×「部長さんがお帰りになったら、お返事させていただきます」
  • ○「ご注文の品はそろいましたでしょうか」
    ×「ご注文の品はおそろいになりましたでしょうか」
  • ○「そちらでは雨が降っていますか」
    ×「そちらでは雨が降っていらっしゃいますか」

 それから「お」と「ご」の使い分けにも原則があります。

 「お」は主として和語につきます。「お祝い」「お悔やみ」などです。
 「ご」は主として漢語につきます。「ご挨拶」「ご出席」などです。ただし例外もあります。返事には「お」と「ご」の両方が使え、電話や誕生日は漢語ですが「お」がつきます。

 外来語には「お」も「ご」もつきません。「おビール」というのは水商売で流行した間違った用法です。

セイン:なるほど。これで少し自信がつきました。

 ちなみに、「自分」には敬語をつけないんですよね。よく外国人が「私がご説明します」なんて言っているのを耳にしますが……。

長尾:自分の行為であっても、それが相手に及ぶ場合は「お」や「ご」を使って敬意を表します。でも基本的には、自分に近い関係ほど敬語を使わない表現になり、反対に自分から関係が遠くなればなるほど、敬語の程度が高くなると覚えていくといいでしょう。だから、見知らぬ人には常に敬語です。

セイン:「失礼します。あなた様はどこのどなた様でいらっしゃいますか?」と言えばいいんですね(笑)。

(日本人が気づいていないヘンな日本語=終わり)

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