なぜ営業幹部は「営業改革」が嫌いなのか?(1/2 ページ)

» 2013年03月28日 16時00分 公開
[日沖博道,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:日沖博道(ひおき・ひろみち)

パスファインダーズ社長。25年にわたる戦略・業務・ITコンサルティングの経験と実績を基に「空回りしない」業務改革/IT改革を支援。アビームコンサルティング、日本ユニシス、アーサー・D・リトル、松下電送出身。一橋大学経済学部卒。日本工業大学 専門職大学院(MOTコース)客員教授(2008年〜)。今季講座:「ビジネスモデル開発とリエンジニアリング」。


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 すでに何度か強調しているが、営業改革を本気で成功させようと思ったら「戦略的狙い」をしっかり考えて社内で共有化しておく必要がある。

 例えば医療機関をターゲットとしている首都圏の医療システムのベンダー企業だったら、「競合に先んじて顧客の事情を理解し、より適切な提案をできるようにするため、重点ターゲットの医療法人を5つに絞り込み、分厚いサービスを提供してリピート率を倍増する」という具合である。

 そしてその「戦略的狙い」に基づいて営業スタイルや重点、プロセス、体制が変わるという具合に「思想統一」することで、一貫性をもって徹底されるようになることは「営業改革はどう行うべきか」で記したとおりである。

 先の医療システムのベンダーならば、5つの医療法人に専属の営業チームが密着対応し、それぞれの医療法人ごとの重点課題とその対応体制等を明確化すべく、営業プロセスを標準化し、ステップごとに上司との間に決められたチェックポイントで正しい情報をやりとりできたかが確認される。結果目標だけでなくそのプロセス目標をクリアしたかが営業員、そしてチーム長の評価につながる。と、こんな具合だ。

 実際にはこうした「戦略的狙い」が明示化・共有化されずに曖昧なまま、営業改革が推進されようとすることが世の中には多い。するとどうなるか。

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