なぜ「のどごし〈生〉」のプロレスCMにグッとくるのか? 担当者に“裏話”を聞いた仕事をしたら“人の夢”を実現できた(2/8 ページ)

» 2013年03月27日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

基本的に仕込みはなし

CM制作に携わった、マーケティング部の山田さよさん

土肥:山田さんはプロレス編のCM制作に携わったということですが、ストーリーはどのように考えられたのでしょうか? 

 というのも試合展開が、プロレスファンの心をくすぐるんですよね。寺島さんは長州力さんにいきなりドロップキックをして、それがキレイに決まる。そして長州さんをコーナーに追い詰めるものの、ここからプロと素人の差が出始める。長州さんは必殺技・サソリ固めを決めて、最後はラリアット。まともにくらった寺島さんは押さえ込まれて、スリーカウント負け。このシナリオは誰が考えたのでしょうか?

山田:基本的に仕込みはないんですよ。

土肥:えっ、本当ですか?

山田:制作スタッフやクリエイターの人たちと打ち合わせをしたときに「とにかく寺島さんを喜ばせよう!」ということで意見が一致しました。逆に言うと、寺島さんが嫌がるようなことは止めよう、と。例えば、CMを制作するにあたって「このほうがつくりやすい。このように演出しちゃえ」と思っても、絶対にしないことにしました。

 寺島さんは「後楽園ホールのリングに立つことができたら最高」とおっしゃっていたので、格闘技の“聖地”である後楽園ホールを用意しました。また「長州力さんと戦いたい」とも話されていたので、キャスティングしました。

土肥:長州さんと戦う設定なのに、後楽園ホールの赤コーナーに出てきたのは、お笑い芸人の長州小力さんでした(笑)。寺島さんはどんどん攻め込んで、小力さんはリングサイドに転がり落ちて、走って逃げてしまいましたね。

山田:寺島さんには「長州力さんが登場する」ということはお伝えしていましたが、その前に小力さんがリングに立つことは内緒にしていました。つまり、サプライズですね。

 いきなり長州さんと戦うと、寺島さんが緊張されるかもしれない。そこで笑いのとれる演出を……ということで小力さんにご協力していただきました。

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