土肥:でも弁護士も医者も数が増えてきて、レアではなくなってきています。今後10年間で、どんな職業がレアな存在になってくるのでしょうか。
藤原:そうした問いかけがものすごく大切になってくるんですよ。自分の戦略を考える際に、大事なポイントが2つあります。1つめは、逆張り。みんなが行く方向ではなく、逆の方向に進むということですね。
例えば、道の先にリンゴの樹があるとします。一緒に歩いている人たちはリンゴを食べたいのですが、道は2つに分かれている。そのときどちらの道を選択すればいいのか。もし全員が右の道を選んだときには、左の道を進めばいい。なぜならみんなについていって、リンゴの樹があったとしても、分け前は1〜2個かもしれない。足が遅かったら、その分け前すらもらえないかもしれない。
左の道を進んでいけばどうなるのか。大きなリンゴの樹があるかもしれない。そうしたらすべてのリンゴを独占できる。リスクはあるかもしれませんが、逆張りをしていかなければ大きなリターンは得られないでしょうね。
土肥:ハイリスク・ハイリターンを選択せよ、ということですね。では、レアな存在になるための、もう1つのポイントはなんでしょうか。
藤原:「レアな存在になれ」と言われても、10万人に1人、1万人に1人の存在になることって難しいですよね。例えば、いまからiPS細胞を研究して、山中伸弥教授を越えることは難しい。20〜30年黙々と研究を続ければ山中教授を追い越すことはできるかもしれませんが、その可能性はものすごく低い。それほどの時間をかけても、教授に追いつけるのは1万人に1人……いや、100万人に1人もいないかもしれません。
1万人に1人の存在になることは難しいことですが、100人に1人だったらかなりの確率でなれると思うんですよ。例えば、パチンコをするのかどうか、電車の中で寝ているのか本を読んでいるのか。こうした違いだけでも、2分の1、4分の1……となっていき、すでに25人に1人になっている。このように考えると、100人に1人になることはそれほど難しいことではないんですよね。
仕事が終わってから英会話学校に通ったり、資格試験の勉強をしている人は、ひょっとしたらもう100人に1人になっているかもしれません。でもここで終わってしまうと、1万人に1人というレアな存在にはなれません。
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