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» 2013年03月12日 08時01分 UPDATE

AKB48の戦略!:AKB48の第一章は終わった……では第二章は? (1/2)

2012年5月、インドネシアのジャカルタでJKT48が初公演を行った。専用劇場もオープンし、公演がものすごく盛り上がっているという。なぜ、AKBの海外進出はインドネシアからだったのだろうか? 秋元氏に聞いた。

[秋元康, 田原総一朗,Business Media 誠]

AKB48の戦略!:

book

 この連載は書籍『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。

 AKB48といえば、今や知らない人はいないほどのアイドルグループで、その人気は日本のみならず海外にも及ぶ。本書では、そんなAKB48の真実や魅力を余すところなく紹介するとともに、プロデューサーでもある秋元康の企画力や発想術などの“刺さる”ビジネスノウハウを徹底的に解明。AKB48のファンはもちろんのこと、ビジネスパーソンにこそ読んでほしい1冊です。


著者プロフィール:

秋元康(あきもと・やすし)

作詞家。1958年、東京都生まれ。美空ひばり「川の流れのように」をはじめ、ジェロ「海雪」(第41回日本作詞大賞受賞)、AKB48「フライングゲット」(第53回レコード大賞受賞)など、数々のヒット曲を生む。2012年、第54回日本レコード大賞“作詞賞”を受賞。

テレビ、映画、CM、漫画、ゲームなど、多岐にわたり活躍中。AKB48グループの総合プロデューサーを務めるなど、常に第一線で活躍するクリエイターとしても知られる。著書に小説『像の背中』(扶桑社)など多数。


田原総一朗(たはら・そういちろう)

 1934年、滋賀県生まれ。1960年、岩波映画製作所入社、1964年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。1977年にフリーに転身。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。1998年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。

現在、早稲田大学特命教授として、「大隈塾」塾頭も務める。『日本の戦争』(小学館)、『田原総一朗自選集(全5巻)』ケビン・メア著『田原総一朗責任編集 自滅するな日本』(アスコム)ほか著書など多数。


「戦略がない」のが戦略

田原:秋元さんは「2012年夏の東京ドーム公演を成功させて、第1章が終わった」と話された。そこで聞きたい。AKB48の「第2章」はどうなるのか? その先に「第3章」もあるのか? 秋元さんはAKBを、どのように展開しようと思っているのか? 1つにはAKBの海外展開があります。進捗はどうなっていますか?

秋元:最初はインドネシアの首都ジャカルタの「JKT48」です。インドネシアの女の子たちを集めて2011年に作り、地元イベントやテレビCMなどに出はじめて、初公演が12年5月。すでに専用劇場もオープンし、公演がものすごく盛り上がっています。ドーム公演の初日に高城亜樹と仲川遥香の移籍を発表したんですが、移籍組は12年12月ころから出ることになるでしょう(注:12月26日に公演デビューしました)。

田原:2人のファンはショックだろうけどね。なぜAKBの海外進出はアジア、それもインドネシアからだったんですか?

秋元:それは、僕が「戦略」を持ってないからです。普通は戦略を立てて、ああしてこうしてという絵を描きますけど、AKBでそれをやると予定調和になっておもしろくない。僕自身もどうなるか分からないことを、いちばん大事にしているんです。

 そこに、ジャカルタから「AKBに来てほしい。JKTを作りたい」という圧倒的に強い声が届いた。では、ジャカルタでやろうと。中国の上海、台湾、タイのバンコクからも同じ声が届いている。そういうものに引かれるほうが、何が起きるか分からないからおもしろいじゃないですか。

田原:戦略がなかった、あるいは「『戦略なし』という戦略」を立てていたところに、たまたまジャカルタから話があったんだ。

秋元:ヒットを出すには、ちょっとあざとい言葉で言うと、時代と合気道をしなければいけないんです。いくらアメリカやイギリスに進出したいと無理に頑張っても、時代の力というものを投げ飛ばすことはできない。でも「インドネシアですごい人気です。来てください」という声に乗れば、体がふわんと浮く。僕は自分の意志よりも、みんながどんなことを望んでいるかを優先して考えます。なるべく時代にもっていかれるほうに、できるだけ手綱を緩めておくんです。

田原:柔道なんかでよく「自分は力を入れない、相手の力を利用して倒すんだ」というようなことを言う。そういうことね。

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