土肥:藤原さんには「10年後のサラリーマンはどうなっている?」といったことをうかがいたいのですが、まず「給料」についてはどのように見られているのでしょうか。
下の図を見ていただけますか。サラリーマンの給与は15年ほど前からダウントレンドで、2〜3年前になってようやく底が見えてきた感じ。昨年秋ごろからは「アベノミクス」効果もあって株価が上昇し、一部の企業では「給料をアップさせる」というニュースがありました。デフレは脱却して、サラリーマンの給料も上がっていくと思われますか?
藤原:給料の話の前に、少し歴史を振り返ってみましょう。20世紀の日本は「成長社会」でしたが、21世紀は「成熟社会」になると思っています。もっと細かくいうと、成長社会は1997年で終わって、1998年からは成熟社会。この成熟社会に入ってからもう15年ほど経ちましたが、今後10年間で成熟社会がさらに成長するのではないでしょうか。
土肥:1998年からは給料が下がっただけでなく、消費指数や自動車販売台数などの数字が右肩下がりで落ち始めましたね。で、成熟社会が成長すると、どのような社会になるのでしょうか?
藤原:サラリーマンの多くは年収400万〜800万円だったのが、10年後には「二極化」するでしょう。
土肥:二極化とは?
藤原:では予言しましょう。200万〜400万円の人たちと、800万円以上の人たち――このような格差が生まれるでしょうね。
土肥:サラリーマンにとっては、き、厳しいご意見ですね(汗)。
藤原:人間には「情報処理」と「情報編集」というチカラがあって、成長社会では情報処理力だけで通用していました。情報処理力が高い人は、年収400万〜800万円ほどもらって、課長クラスになっていた。小さい会社だったら、部長になれたかもしれない。
でも10年後は情報編集力がなければいけません。このチカラを持っていないと、年収800万円以上もらうのは難しいでしょうね。
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