「試職(シショク)」は就活生を救う? 就職戦線に新たな兆しこれからのことがよく分かるコラム(1/4 ページ)

» 2013年03月06日 08時01分 公開
[岡崎仁美,Business Media 誠]

著者プロフィール:

岡崎仁美 (おかざき・ひとみ)

1993年4月、(株)リクルート入社。関西人材総合営業部(企業の人材採用支援、教育サービスの提供)の営業担当後、転職情報誌『B-ing』関東版編集企画マネジャー・同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』編集長を経て、現職。


 あなたの出した広告を見て、東京23区在住の高田さんご夫婦(宏一さん・晴美さん)から電話があり、本日来店されました。高田ファミリーの新しい門出にぴったりの住まいはどのようなものでしょうか。ご家族全員の要望を踏まえて、それぞれの物件のメリット・デメリットを整理し、オススメの物件を3つに選んでみましょう――。

 もうすぐ3月。今春卒業予定の未内定者たちが卒業直前の追い込みをかける傍らで、その翌年、2014年卒生の就職活動も本格化、まさに会社説明会のオンシーズンである。

 大学生の就職活動は、2013年卒から採用広報開始時期が2カ月後ろ倒しされた“圧縮スケジュール”となった。そんな中でにわかに増えているのが、冒頭のような仕事体感プログラムを伴った会社説明会だ。

就職活動スケジュールの変更

 これは不動産流通各社が合同で行った、業界理解セミナーの一幕である。不動産会社は日本全国に約30万社あり、全産業法人の1割を占めている。実に100万人以上の人が働く業界であるが、まだまだ学生の認知や理解は十分とは言えない。

 一方で、余剰住宅の問題や環境負荷軽減の観点から、国策も「建てる」から「生かす」にシフトする中、特に流通業界は大きなビジネスチャンスを目の前にしている。人材採用・活用にも積極的な姿勢をとる企業が多く、志望者のパイが増えなければ各社の奪い合いは加速するばかりだ。

 そこで、より優秀な人により多く、不動産流通業界を志望してもらうために、業界の有志が協力する形で合同セミナーを始めたのが約10年前。そして4年ほど前から、こうした「仕事体感」のプログラムを導入している。

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