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» 2013年03月01日 08時00分 UPDATE

古田雄介の死とインターネット:自分が死んでもあわてない! インターネットの生前準備2013 (1/3)

自分が死んだり身動きがとれなくなったりした時、周囲に不用意な迷惑をかけないように、インターネット上に残るものにも最低限の道筋は付けておきたい。2013年時点で最も現実的な対応策を解説する。

[古田雄介,Business Media 誠]

著者プロフィール:古田雄介(ふるた・ゆうすけ)

1977年生まれのフリーランスライター。自ブログは「古田雄介のブログ」。


 インターネットが世の中に広く普及しておよそ20年経つ。普段使う道具としてはすっかりお馴染みだが、遺産が残る場所としてとらえるとその歴史はまだ浅い。ネットに残った資産は、法律的にも社会的にも死後処理の仕組みがまだ確立していないのが現状だ。周囲にゆだねるだけでなく、自分からも動かないと、死後に望むような状態で処理できないかもしれないし、遺族や不特定多数の人に迷惑をかけてしまうかもしれない。

 例えば、ある闘病ブログは、遺族が書いた訃報記事のコメント欄が、卑猥な言葉を並べたスパム書き込みに荒らされたまま何年も放置されている。死後しばらくに書き込まれた読者や知人の哀悼コメントとのギャップが痛々しいが、外部からは何も手出しができない状態だ。

 独自の研究で名をはせたある個人ホームページは、管理人の死後もその膨大なデータが閲覧できる状態にあるものの、掲示板ページは英文のスパム書き込みに埋め尽くされ、危険なURLの温床と化している。せっかく価値ある情報が残されていても安易に踏み込めない雰囲気だ。人気サイトの管理人が亡くなった後、その実績が詰まったドメインが悪徳サイトの手に渡る例も枚挙にいとまがない。

ah_huruta1.jpgah_huruta2.jpg ある闘病ブログのコメント欄。読者や知人の間で哀悼の場として機能していたが、ある日を境にスパムに荒らされるようになった(左)、カップラーメン研究で有名だったサイトの掲示板。更新が停止したのは2004年だが、現在も新たな英語スパムによる書き込みが続いている(右)。これらは決して特殊な例ではない(クリックで拡大)

 非公開なネット資産に困るのは遺族だ。一家で共有しているインターネットサービスプロバイダーのIDを知らせなかったばかりに現状維持に膨大な手間がかかったり、遺族にとっても重要なメールに二度とアクセスできなくなったりする場合がある。また、ネットバンクの口座も自分しか知らない状態にしておくと、遺産を渡せないばかりか、税金の面であらぬ嫌疑をかけてしまう恐れもある。

 これらのリスクは本人のわずかな努力でほぼゼロになる。どんな手を打つべきか。最も重要で、かつ最初にすべきことは「ネット資産」の把握だ。下の表を参考に、まずは自分の持ち物を整理してほしい。

ah_huruta3.jpg ネット上の資産。水色が無料、または支払い済みのサービス、黄色が課金制サービス、緑色が通貨系の資産と収入となる
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