社内の知識を再発見、Evernote Businessを国内企業はどう使う?(1/4 ページ)

» 2013年03月01日 08時00分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]

 米国発のWebサービス「Evernote」は、メモをオンライン上に保存できるクラウドサービスだ。メモだけでなく、WordやExcelなどのOfficeファイルやPDF、画像、音声といったデジタルデータも扱え、PCやスマートフォンなどさまざまな端末から閲覧、検索できることから日本国内でも利用者を増やしている。

 Evernote社は、2012年12月に中小企業や部門単位での活用を目指し、企業内共有機能やユーザー権限管理機能などを追加した「Evernote Business」を投入。米国や日本、欧州の7カ国でスタートした企業版は、およそ2カ月で35カ国、2500社に導入されている。

 今回、Evernote Businessを導入した2社の事例を聞くことができた。同社いわく「世界で初めてのEvernote Business導入事例の紹介」とのことだ。

すべてをクラウドに記憶するEvernote

 ここで簡単にEvernoteについて説明しよう。思いついたアイデアやメモとして残しておきたいことなどを「ノート」と呼ぶファイルに記入すると、自動的にオンライン上に保存されるWebサービスだ。冒頭に書いたとおり、デジタルデータならば何でも蓄積可能で、ユーザーの91%は「知識を収集する」ために利用しているという。

 それもそのはず、Evernoteは「Remember Everything(すべてを記憶する)」をコンセプトに、2008年6月にサービスを開始(招待制のベータサービスは同年2月スタート)した。米カリフォルニア州レッドウッドシティに本社を置くEvernote社では、フィル・リービンCEOを筆頭に「Build for Ourselves(自分たちが使うために作る)」という考えの下で個人向けサービスとして機能を拡充してきた。

 同社日本法人によれば、Evernoteユーザーのおよそ66%が仕事のためのツールとしても利用しているという。そこでEvernote社はサービス開始から5年を迎えたことを期に、要望が多かったEvernote Businessの投入に踏み切った。当然、開発方針は「同社で使いやすいこと」とぶれず、スモールビジネスやグループ利用を想定する。

 例えば既存の個人ユーザーは、新たにビジネス用のIDを作らずに、そのままEvernote Businessでも利用可能だ。似たようなWebサービスでわざわざIDを使い分けるといったわずらわしい操作が不要となり、これまでに蓄積してきた知識(データ)を同僚と共有できるのだ。

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