女子はどんな就職先を探しているのか? 男子の知らない世界に迫る仕事をしたら“就活生の動き”が見えてきた(後編)(2/5 ページ)

» 2013年02月27日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
新卒事業本部の小川晋一郎さん

土肥:でも「就活生の平均エントリー数は○○件」といった数字、目にしますよね。

リク:エントリー数は条件によって違ってくるのですが、根拠のない数値ばかりが横行してしまうと、学生は間違った方向に進んでしまうかもしれません。なんとかしなければ……と考えていたところ、膨大なデータを処理できるビックデータを使って先輩たちの行動を分析することができました。そして学生のさまざまな属性や志向に応じて、その学生に必要な目安エントリー数を伝えています。

 また学生の属性に応じて「“合う企業”の一覧を作ることはできないだろうか?」という話になりました。実際にいくつか一覧を作って、すでに効果を出すことができました。

土肥:それはどんなモノですか?

リク:学生の人気企業ランキングを作りました。字面だけをみると、よくありがちなモノですよね。ECサイトなどでよくあるこの手のランキングは、たいてい選択される側(商品)の属性で一覧になっています。例えば「掃除機の人気ランキング」の場合、掃除機がズラっと並んでいますよね。

 一方で「掃除機を買いたいそうな人が他に見ている商品ランキング」の場合、「掃除機」「掃除機の紙パック」「雑巾」「ほうき」「洗剤」など、掃除をするという目的に照らした商品が出てきます。リクナビの人気企業ランキングは後者の方向性で開発しました。

 一般的な就活生の人気企業ランキングの場合、文系・理系別や業界別といった属性で分けているモノをよく見ます。私たちが作ったモノは「学生志望業種別」。冒頭でも申し上げたとおり、就活生はより広い視野でさまざまな企業にアプローチをしたほうがいい。そうすると「文系・理系別」「業界別」といったモノよりも、「学生自身が何に興味を持っているか」をベースにランキングを作成したほうが行動喚起につながるのではないか? という仮説を立てました。

 業種のところでもお話したとおり、「福祉関連」と「レジャー・アミューズメント」は業界としては違いますが、学生が興味を持ち、次のアクションに結びつくという点ではよく似ています。多くの学生はひとつの業界だけを見るのではなく、いくつかの関連業種を並行して探しています。

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