女子はどんな就職先を探しているのか? 男子の知らない世界に迫る仕事をしたら“就活生の動き”が見えてきた(後編)(1/5 ページ)

» 2013年02月27日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

仕事をしたら“就活生の動き”が見えてきた:

 学生の就職活動が本格化している、らしい。なぜ「らしい」を付け加えたかというと、記者は採用の仕事に携わったことがないので、いまひとつピンと来ないからである。またいわゆる“バブル世代”なので、いまのようにインターネットを使って「エントリーシートを提出する」ということもなかった(「就活」という言葉もなかったと思う)。正直に言うと、遠い昔の話なので今の動きがよく分からないのだ。

 現在就活をしている学生は、どのようなスケジュールで動いているのだろうか。ある就職サイトにはこのように書かれていた。10月ごろから「自己分析」「企業研究・業界研究」をして、12月に入ると「エントリー」「会社説明会」などがある。それと平行する形で「エントリーシート」を提出して、2月には「面接」、3月中旬ごろには早い人で「内定」がもらえるという。

 約20年前の就活といえば、ある日、自宅に就職情報誌がどっさりと届く。そして情報誌に添付されているハガキを送付して、企業から資料をもらったり、連絡をもらうケースが多かった。

 いまの学生の多くは就職情報サイトからエントリーする。そのサイトに最近、ちょっとした工夫がされているというのだ。どんな工夫かというと「利用している人によって、サイトに紹介される情報が違うんですよ」(リクルートキャリア)という。約60万人の学生が登録している就職情報サイト「リクナビ」では昨年から、登録者全員に違う情報を提供している。なぜそんなことをしているのか、またなぜそんなことができるのか。リクルートキャリア・新卒事業本部の担当者3人に話を聞いた※。前後編でお送りする。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。

※インタビューに応じていただいたのは、新卒事業本部の西畑俊樹さん、大西哲朗さん、小川晋一郎さん。記事中では個人の名前を出さず、「リクルートキャリア(リク)」と記しています。

学生にとって“合う企業”の一覧を作った

土肥:これまでのリクナビは全員に、同じ「オススメ企業」を表示していました。しかし「リクナビ2014」からは、個々人の企業選びの軸や行動などに合わせたオススメができるようになった――という話を前編でお聞きしました。

 後編では、サイト上でどのような情報を提供しているのかを教えていただけますか。

リクルートキャリア(以下、リク):自分に合う企業から内定を獲得するために、学生はどうすればいいのか。これまで蓄積してきた膨大なデータを分析したところ「多くの企業で面接が始まる4月までに視野を広げ、ある程度企業を広く選んでアプローチすることが大切」といった話をしました。

土肥:でも大半の学生は就活が初めてのことなので、どうすればいいのかよく分からないといった人が多いですよね。

リク:ですね。そこで私たちは、学生にこのような参考情報を提供しました。「内定を獲得した先輩は、○月までにこれだけエントリーをしていましたよ」と。

土肥:そういえば私が就職活動をしているときにも、資料請求の話をよくしていましたね。「お前、何社に資料請求した?」といった感じで。で、たくさん請求している人がいると、妙に焦ったりして(笑)。いまの学生でいうと、エントリーシートになるのかな?

リク:「エントリーシート、何社に出せばいいですか?」という質問は多いですね。どのくらいエントリーしたらいいかの目安は「その学生の志望する業界」「勤務地の求人倍率」「内定がほしい時期」など、さまざまな条件によって違ってくるんですよ。

大半の学生は就活が初めて。どのように行動すればいいのか、分からない人が多い(写真と本文は関係ありません)
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