1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
先日、経営再建中の半導体大手ルネサス エレクトロニクスが臨時株主総会を開いて、1500億円第三者割当増資の決議をした。
出資の3分の2を占めて、筆頭株主になったのは、官民ファンドの「産業革新機構」。要するに、1760億の赤字をダラダラと垂れ流し続けている企業を「国有化」して立て直そうというわけだ。
当たり前の話だが、これってどうなのよ、という声があちこちから噴出している。
バンザイしてしまった者が手厚く保護されて、破たんをさけるため歯を食いしばって耐えている人がバカをみる。生活保護制度にもよく似た不公平さの匂いがプンプン漂うからだ。
いや、そもそも1500億をみすみすドブに捨てるようなもんだ、という見方も多い。
半導体大手エルピーダメモリも2009年、公的資金を注入される「民間企業第一号」として選ばれたが、赤字体質から脱することはなく、4480億円の負債を抱えて2012年に破たんして結局、米国の半導体メーカーに買収されたからだ。
ルネサスの社長は、3年ぐらいかけて立て直しますよ、みたいなことを言ったが、こういうのんびりした感じが「エルピーダの二の舞になるのではないか」という不安に拍車をかけている。
日の丸半導体がこぞって斜陽となっていることからも分かるように、テクノロジー業界は移り変わりが早い。だから経営にもスピードが求められる。
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