コラム
» 2013年02月26日 08時00分 UPDATE

ビジネス英語の歩き方:英語の細かいニュアンスを間違えないようにするテクニック (1/2)

母国語でない人にとって、英語の細かいニュアンスの違いは分かりにくいもの。しかし、さまざまなテクニックを使うことで、ニュアンスを誤らないようにすることができるのです。

[河口鴻三,Business Media 誠]

「ビジネス英語の歩き方」とは?

英語番組や英会話スクール、ネットを通じた英会話学習など、現代日本には英語を学ぶ手段が数多く存在しています。しかし、単語や文法などは覚えられても、その背景にある文化的側面については、なかなか理解しにくいもの。この連載では、米国で11年間、英語出版に携わり、NYタイムズベストセラーも何冊か生み出し、現在は外資系コンサルティング会社で日本企業のグローバル化を推進する筆者が、ビジネスシーンに関わる英語のニュアンスについて解説していきます。


 前回はIME(文字入力ソフト)についている単語登録機能を、英語を書くために使うというテクニックをご紹介しました。

 →「“秒速”で英語を書く方法

 PCを使いこなしている人でも、こういう使い方をする人はほとんどいないらしく、たくさんの反響をいただきました。このテクニックは、もう少し拡大して使うこともできます。英語の微妙なニュアンスの違いを、日本語でメモしておくという方法です。

 例えば、謝りの文句。代表的な例に次のようなものがあります。

 「I am sorry for the mistake」(ミスをして申しわけありません)

 「We apologize for that」 (おわび申し上げます)

 これを前回説明したように、単語登録で単語に入れて、よみに「しゃざい」のような読みを入れれば、複数の選択肢が表れるというわけです。その際に、ビジネス英語独特のニュアンスについて、自分のための注意事項を入れておくのです。

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 日本の文化は、何か問題が起こると、まずは謝る傾向があります。自分に非がなくてもとりあえず謝ります。「ご迷惑をおかけする」「お騒がせする」ということは、相手に謝るに値するという発想ですから、謝り表現は日本語にいっぱいあります。

 「すみません」「申しわけありません」は序の口で、「謹んでお詫び申し上げます」「ご寛恕のほど、どうかよろしくお願い申し上げます」「このたびの不始末、お詫びの申し上げようもございません」など。

 英語では昔から言われていることですが、「どうもすみません」と気軽に「I am sorry」と言うべきではありません。後で責任問題になった時、これは一種の証拠として使われる可能性さえあるからです。

 なぜか? 自分の方に非があることに対して謝るというニュアンスが強いからです。日本人同士では、何かトラブルが発生したこと自体、責任がどこにあるにせよ、自分もそれに関与している以上、多少を問わず責任を感じている人が多いですよね。そういう気持ちが強く、ことを荒立てたくないので、日本人はよく「すみません」と言うのですが、英語の「I am sorry」は少しニュアンスが違います。

 「非は私にあります」というニュアンスが強くなるので、ビジネスで相手とやり取りしている時、簡単に「I am sorry」は使わない方がいいのですが、この表現、実はもう一つ意味が異なる使い方もあるので、注意が必要です。

 「I am sorry for the loss of your father」という場合、「お父さんが亡くなって、申しわけありません」では意味が通じません。この表現は、大事な相手を亡くした人に心をこめて言う慰めの言葉で、「お父さんがお亡くなりになり、お悔やみ申します」という感じの表現なのです。かなり、気持ちのこもった哀悼の意を、この表現で表すことができます。

 sorryに限らず、英語での謝り、謝罪といった場面では、あまり安易に、過度に謝らないようにすることが大事。そこで、その微妙なニュアンスの違った言葉を使う上でまた単語登録が活用できるのです。

 商品の発送が遅れ、そのことをわびるメールを送る時、「We are sorry for the delay」といった表現を使うことがあります。ここで単語登録で単語に「We are sorry for the delay 慎重に謝る」、よみに「おくれをわびる」と入力しておけば、別の機会に謝罪の英文を作る際、過度に謝罪し、相手にそこを責められるのを防止できるというわけです。「慎重に謝る」の代わりに、「謝罪は慎重に」でもいいでしょう。変換した後に、日本語部分を削除する必要はありますが、ビジネス英語で思わぬ不利をこうむらないための予防のアイデアとしていかがでしょうか。

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