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» 2013年02月26日 08時01分 UPDATE

AKB48の戦略!:センターの前田敦子がいなくなって、何が生まれるのか (1/2)

AKB48劇場には、さまざまな職業の人たちが訪れる。彼らはメンバーを見て「この子はどうやったらおもしろいだろうか」とワクワクして、さらに「前田敦子がいいね」と言っていたようだ。

[秋元康, 田原総一朗,Business Media 誠]

AKB48の戦略!:

book

 この連載は書籍『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。

 AKB48といえば、今や知らない人はいないほどのアイドルグループで、その人気は日本のみならず海外にも及ぶ。本書では、そんなAKB48の真実や魅力を余すところなく紹介するとともに、プロデューサーでもある秋元康の企画力や発想術などの“刺さる”ビジネスノウハウを徹底的に解明。AKB48のファンはもちろんのこと、ビジネスパーソンにこそ読んでほしい1冊です。


著者プロフィール:

秋元康(あきもと・やすし)

作詞家。1958年、東京都生まれ。美空ひばり「川の流れのように」をはじめ、ジェロ「海雪」(第41回日本作詞大賞受賞)、AKB48「フライングゲット」(第53回レコード大賞受賞)など、数々のヒット曲を生む。2012年、第54回日本レコード大賞“作詞賞”を受賞。

テレビ、映画、CM、漫画、ゲームなど、多岐にわたり活躍中。AKB48グループの総合プロデューサーを務めるなど、常に第一線で活躍するクリエイターとしても知られる。著書に小説『像の背中』(扶桑社)など多数。


田原総一朗(たはら・そういちろう)

 1934年、滋賀県生まれ。1960年、岩波映画製作所入社、1964年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。1977年にフリーに転身。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。1998年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。

現在、早稲田大学特命教授として、「大隈塾」塾頭も務める。『日本の戦争』(小学館)、『田原総一朗自選集(全5巻)』ケビン・メア著『田原総一朗責任編集 自滅するな日本』(アスコム)ほか著書など多数。


AKB48劇場は一種のショーケース

田原:前田敦子があそこまでいくことは、だいたい予想していた?

秋元:プロから見ると「まあこの子だろうな」というのはありました。一般のファンには「なんであいつがセンターなんだ」という声が少なからずある。モデルのような美しさやタレントとしての完成度を求めているんだけど、プロに言わせれば勘違いです。

田原:プロは、どういうところを見るんですか?

秋元:ひとことでいえば「予定調和」ではないということ。それから、この子が喜んで微笑んだときの愛くるしい顔は人の心を打つだろうなという天真爛漫(てんしんらんまん)さ。美人ということではなくね。前田の卒業特番で14歳のとき「将来の夢は女優さんです!」とかっていう映像が頻繁に流れましたけど、あの屈託のない感じが、やっぱりエースなんです。つまり、いちばん癖がなかった。ここでこうして、こうやっていくんだよ、というのを、本当にスポンジのように吸収できる子だったんです。

田原:すれてなくて癖がない。「私の売りはこれです」なんて強調しない。

秋元:はい、しないですね。でも、素材として、この子はどうやったらおもしろいだろうか、と何かとクリエイターをわくわくさせる。AKB48劇場は一種のショーケースで、さまざまな映画監督やコマーシャル、ドラマをはじめ、いろいろなプロデューサーが来ます。

 すると必ず「前田敦子がいいね」と言います。彼女には、プロに「この子は」と思わせる何かがありました。

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