鉄道運賃の緩やかな値上げが始まった杉山淳一の時事日想(2/4 ページ)

» 2013年02月22日 08時01分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

見直しが進む「トクトクきっぷ」

 周遊きっぷ終了の前に、JR東日本は「都区内フリーきっぷ」「都区内・りんかいフリーきっぷ」の終了も発表している。これは東京近郊から都内へ買い物に出かける人々に重宝されたと思ったが、「お客様のご利用状況をふまえた」結果、廃止となった。

 過去には「三連休パス」を取りやめてスリーデーパスを発売したり、土・日きっぷを取りやめて「ウィークエンドパス」を発売したりと見直しが進められた。毎年恒例だった特急乗り放題の「正月パス」も2009年まで。2010年からは「ふるさと行きの乗車券」が発売された。特急に乗れるきっぷをやめて、乗車券のみ有効のきっぷを出す傾向がある。安いきっぷを探す乗り鉄にとってはジワジワと押し寄せる事実上の値上げだ。

 周遊きっぷ終了と同じ日に「青春18きっぷ」も発表された。ただし昨年と同様に春版のみの発表となっている。不安な要素は、昨年のプレスリースにあった「※なお夏季用、冬季用については決まり次第別途お知らせいたします」の文言が、今回のプレスリリースにはない。もっとも、周遊きっぷ終了に関する報道のうち、MSN産経ニュースと日本経済新聞は「青春18きっぷ」と「フルムーン夫婦グリーンパス」などの販売は継続と報じている。

2012年春の青春18きっぷプレスリリース(出典:JR東日本)

 青春18きっぷは周遊きっぷより大事だと思われるので、夏冬も何らかの変更の結果、継続されると私は見ている。今年のプレスリリースには三陸のBRT(バス高速輸送システム)に関する記述があるので、そこで変更があるか、価格改定でリニューアルを図るかもしれない。

2013年春の青春18きっぷプレスリリース(出典:JR東日本)

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