なぜ内定をもらえない学生が出てくるのか――彼らの行動を分析した仕事をしたら“就活生の動き”が見えてきた(前編)(6/7 ページ)

» 2013年02月20日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
新卒事業本部の小川晋一郎さん

リク:そういうことです。百貨店に行きたいと思っている学生が、いきなり「プラントの設計会社に行ってみよう」と思う人はほとんどいません。その学生がプラント設計の適性があっても、自分で企業探しをしていては、プラントの設計会社を見つける可能性は低い。

 でも、私たちが「あなたは実はプラント設計の会社が向いていますよ」といった情報を提供することで、その人の就活を支援できればいいなあと思っています。

 ちなみに就活当初に第一志望だった企業に入社する学生ってどのくらいいると思いますか?

土肥:うーん、どれくらいだろう? 半分くらいですか?

リク:3割強なんですよ。つまり、3人に2人はそれ以外の企業に入社します。しかし、約8割がその結果に「満足」しているんです(『就職白書2012』より)。就活を通して新たに出会った・見つけた企業や人に惹かれ、その道に進むことを決める人は少なくありません。

次にどういった動きをするのか

土肥:ビッグデータを導入される前は、どのようにされていたのでしょうか?

リク:ビッグデータ導入前は、みんなに同じ企業を紹介していました。「北海道の企業特集!」「メーカーの企業特集!」といった感じで。その程度のことしかできませんでしたが、いまはその人が北海道の企業に興味があって、食品系のメーカーを希望していることが分かると、膨大なデータの中から「次にどういった動きをするのか」といった未来予想ができるようになりました。

 スポーツ選手に例えるなら、これまでは筋肉の動きのような特徴を見て「野球選手なのかテニス選手なのか、それともラグビー選手なのか」といった大まかなカテゴリーを1カ月くらいかけて分類して、企業をオススメすることくらいしかできませんでした。でも、いまは個別に「野球選手」であるかどうかどころか、「ピッチャー」「キャッチャー」「センター」といったことまで瞬時に見極めることができるようになりました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.