交渉の三役割のもう1つは「意思決定」ですが、ひょっとしたらこれに違和感を感じる人がいるかもしれません。「前面に立って交渉をする“応酬”機能を担う人が、意思決定もするんじゃないの?」と。
もちろんそういう場合もありますが、この2つの機能は分けた方がベター。なぜならば、相手と応酬する中の短い時間の中でモノゴトを決めることには、いろんなワナが潜んでいるから。
自分が交渉の過程でポロッと言った責任を取るために不承不承同意せざるを得ない。
相手の挑発的な態度に乗せられて、感情的に「やってやるよ!」とたんかを切ってしまう
もういい加減に交渉を終わらせよう、というその場の空気に流されてしまう
これを避けるためには、応酬する人とは別の人が冷静な視点から、しっかりとBATNA(最も望ましい代替案)を見定めた上で、損得勘定で物事を決めていく方が交渉で成果を出せるのは言うまでもないでしょう。
従って、大事な交渉になればなるほどこの三役割を別々の人物が担当し、チームとして交渉に当たることになります。実際、多くの人命に関わるほど難しい交渉はチームとして取り組むのは、『NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術』にイキイキと描写されています。ちなみに「NYPD」は「ニューヨーク市警察(New York Police Department)」で、犯人やテロリストとの交渉などがリアルに描かれています。
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