1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
昨年末、ひさびさに「ぼったくり」という言葉がニュースの世界をかけめぐった。
新宿・歌舞伎町のクラブ「VEGAS(ベガス)」を経営していたナイジェリア人、ンゼリベ・エヴァ容疑者ら男女9人が、客のサラリーマンにウォッカなどをガンガン飲ませて意識を失わせたところでキャッシュカードを奪い、口座から60万円引き出したとして逮捕された。
この店はいわゆる「ぼったくりバー」で、客引きは1時間5000円ポッキリとうたいながら、席についた途端に隣についたホステスが「一杯いいですか」とドリンクをガンガン注文。あれよあれよという間に数万円が請求される、という古典的な手口だった。
「え? そんなのまだあるの?」と驚いた人も多いだろうが、歌舞伎町通の間ではわりと有名だった。かく言う私も区役所通りでンセリベ容疑者やその仲間たちに腕をつかまれて連行されそうになった時、先輩記者から「ぼったくりだから逃げるぞ」と救出された経験がある。
そんな物騒な店がなぜこれまで白日の下にさらされなかったかというと、被害者が泣き寝入りしていたからだ。警察の調べによると、店内から泥酔した男性客らがホステスにおさわりをしている写真が数十枚見つかったという。来店記念にパチリなんてわけがなく、ボラれた被害を名乗りでないよう“保険”につかったと見られる。
こんな調子で6年間で10億を荒稼ぎしたとかしないとか。
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