衆議院選挙が公示され正式に選挙戦がスタートしたのと同時に、候補者たちはブログやTwitterなどのインターネットを使った情報発信を一時的にお休みすることになりました。これは、公示期間中にブログやTwitterを更新・投稿した場合は公職選挙法違反に問われる恐れがあるためなんですが、選挙期間中に候補者や有権者、あるいは我々リスナーがやってはいけないこととは一体何なのか分からない人は多いです。そこで本日は、選挙プランナーの三浦博史さんにネット選挙について聞きました。
津田: 三浦さんは、選挙プランナーとして公職選挙法には詳しいかと思いますが、まず、選挙の公示期間中に候補者がやってはいけないことはどんなことなんでしょう。
三浦: 選挙期間中、ブログやTwitterを更新してはいけないというのはよく知られていますが、ほかにも細かくできないことが規定されてるんですね。例えば、ベテラン候補者の陣営でも間違えることがあるんですが、選挙期間中はうるさいくらいに自分の名前を連呼する宣伝車が街を走っていますよね。候補者本人が乗っている選挙カーの場合、状況によっては候補者が車から出て、商店街で街頭演説をしたりする。そういう場合、車の中ではウグイス嬢たちはマイクを使えなくなっちゃうんです。
津田: へー! そうなんですか!
三浦: そうなんです。選挙管理委員会から渡される(注1)街頭演説用標旗を掲げれば、駅前や商店街など、どこでも立ち止まって演説することはできます(注2)。通常、こういう演説は拡声器を使います。しかし、演説している同時刻に車の中から「誰々をよろしく」と拡声器で伝えることは一切できなくなってしまいます。それを知らないでやっている陣営もけっこうありますね。
津田: なるほど。では、候補者ではなく有権者が、選挙期間中やってはいけないことは?
三浦: まず、他人にお金を渡して選挙依頼をやってはいけないというのは常識ですが、知らずにうっかりやってしまうような選挙違反もあります。例えば、立候補者と同じ高校の同窓生に応援をお願いしたい、という人がいたとします。その候補者を応援するために、2000名記載された同窓会名簿をもとに「◯◯高校同窓の皆さん、ぜひ△△さんに投票をお願いします」という文章をダイレクトメールや電子メールで発信してしまったということはたまにあるケースなのですが、これは文書違反にあたります(注3)。
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