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» 2012年12月14日 08時02分 UPDATE

新連載 博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人:あなたはどっちを選びますか? 究極の2択 (1/4)

「あなたはAにしますか。Bにしますか」――こんな選択に迫られることがありますよね。ここで気になるのが、他人はどっちを選ぶかということ。博報堂生活総合研究所が行っている調査の結果から、日本人の志向の変化を見ていこう。

[吉川昌孝,Business Media 誠]

吉川昌孝のデータで読み解く日本人:

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 30年以上にわたり生活者を研究し続けてきた「博報堂生活総合研究所(生活総研)」。同研究所の主席研究員である吉川昌孝氏が、生活総研オリジナル調査「生活定点」などのデータを用いて、“時代の今とこれから”を読み解きます。

 「生活定点」とは、1992年から20年間にわたって隔年で実施している時系列調査。衣食住から地球環境意識に至るまで、人々のあらゆる生活領域の変化を、約1500の質問から明らかにしています。現在、生活総研ONLINEで20年間のデータを無償公開中。こうした生活者データから得られる“ターゲット攻略のヒント”はもちろん、ビジネスパーソンの日々の仕事に役立つ“データを読み解く技術”などもご紹介していきます。


著者プロフィール:吉川昌孝

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 博報堂生活総合研究所研究員、および動態研究グループ・グループマネージャー。1965年愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒、同年、博報堂入社。マーケティングプラナーとして得意先企業のマーケティング戦略立案業務を担当。2003年より生活総合研究所客員研究員となり、2004年より生活総合研究所に異動。2008年より未来予測レポート『生活動力』のプロジェクトリーダー。著書に『亞州未来図2010−4つのシナリオ−』(阪急コミュニケーションズ・共著)、『〜あふれる情報からアイデアを生み出す〜「ものさし」のつくり方』(日本実業出版社)などがある。2008年より京都精華大学デザイン学部非常勤講師。


 みなさん、はじめまして。博報堂生活総合研究所の吉川です。博報堂生活総合研究所(生活総研)は1981年設立の広告会社博報堂のシンク・タンクです。「消費者」という購買の一側面からでなく、「生活者」というその人まるごとを捉えようという「生活者発想」で、日本人の意識や行動の変化を追っています。このコラムでは日本の生活者の今とこれからについて、さまざまな生活総研のオリジナルデータをもとに読み解いていきます。

 第1回目のテーマは「究極の2択」。AかBか、どっちをとるか。隔年で実施している長期時系列調査「生活定点」の結果から、今回は日本人の志向の変化についてご紹介します。

尊敬しているのは、父よりも母

 最初に、その選択肢同士がデッドヒートを続けている質問から。「どちらかといえば、父親を尊敬しているVS. どちらかといえば、母親を尊敬している」です。結果はグラフにあるように、50%をはさんで、2000年までは父が若干リード。21世紀に入ると母が逆転し、2006年に一時父に肉薄されますが、それ以降は再び母が差を広げて2012年まで母親上位で推移しています。

yd_yoshikawa1.jpg 尊敬しているのはどっち? 

 20世紀から21世紀にかけて父母逆転が起きたことを考えると、“父親上位の時代は20世紀で終わった”ということなのでしょうか。育メンや弁当男子など、昨今の「優しい男性像」の登場が、再逆転のきっかけになるかに注目したいところです。

 次の質問はいわゆるワークライフバランスの推移といってもいいでしょう。「仕事よりも家庭生活を第一に考える方だVS. 家庭生活よりも仕事を第一に考える方だ」。この結果は実は1990年代からずっと「家庭>仕事」だったのです。最近はよりその傾向が強まって8割近くへと「家庭派」が拡大しています。

yd_yoshikawa2.jpg 仕事派よりも家庭派が増えている

 ワークライフバランスが話題になり始めたのも、21世紀に入ってから。心の中では「家庭生活第一」でも、現実にはそうなれなかったのがこれまでの日本人だったのかもしれません。その意味で2008年から「家庭派」が8割近くに上昇し始めたのは注目に値します。日本人もいよいよ本腰を入れてそのバランスの見直しを始めるということでしょうか。

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