誠編集部が選ぶ2012年のトレンドは?誠トレンド格付2012(3/3 ページ)

» 2012年12月14日 15時00分 公開
[Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

 誠 Style編集部の岡田大助です。先日、2012年の世相を表す漢字として「金」が選ばれました。5月にあった金環日食、ロンドンオリンピックでの金メダル……。ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授にも、アルフレッド・ノーベルの肖像が描かれた金メダルが授与されました。

 こうふり返ってみると、2012年は良い年だった気がするのですが、「金」をカネと読めば話が少し変わってきそうです。生活保護制度を悪用した不正受給問題がクローズアップされたり、経済も上向かずボーナスの額は減るばかりだったり……。

 言霊信仰ではありませんが、あまり「デフレ」「不況」という言葉を繰り返すと自縄自縛に陥りそうです。2013年は、前向きな気持ちを持って、もっと良い年にしたいですね。

誠 Style編集部が選ぶ2012年のトレンド

 それでは、改めて2012年の誠 Styleっぽいトピックを独断と偏見をもって5つ挙げてみます。

  1. クリーンディーゼルエンジンに注目、マツダ「CX-5」
  2. ソーラーGPSウオッチ、セイコー「アストロン」
  3. ブルーライトカットメガネが話題
  4. 国内LCC就航相次ぐ
  5. 自転車通勤、注目が集まる

86/BRZも捨てがたいのですが……やっぱりディーゼル復権がイチオシ

 この数年、クルマ関連のニュースはすっかりハイブリッドカーに代表されるエコカーが席巻していましたが、2012年は久々にクルマが本来的に持つ「ワクワク感」にあふれた年でした。

 今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのはマツダのクロスオーバーSUV「CX-5」。同社が想定していた以上にクリーンディーゼルエンジン搭載モデルに人気が集まりました。パワーも出しやすく、もともと燃費の良さではガソリンエンジンに比べて熱効率の優れたディーゼルエンジンが有利でしたが、「黒いすすをまき散らす」といった環境へのネガティブなイメージがあったのも事実です。

 ちなみに、この手の悪イメージを強烈に植え付けた(と思われる)のは東京都知事だった石原慎太郎さんですが、2012年3月16日の会見において「私は必然的にディーゼルで走るクルマが増えざるを得ないと思うし、けっこうなことだと思う」と欧州視察の経験をふまえながら、クリーンディーゼルの技術革新を認めていました。

ディーゼル規制に関する質疑応答は15分01秒ごろから

 そう、欧州ではディーゼル車のほうがガソリン車よりもプレミアムカー扱いされることも多いのです。例えば、トヨタが8月に発売した2代目「オーリス」は、欧州では日本未導入のディーゼルモデルも展開しています。逆に輸入車では、多くの車種でガソリンモデルしか日本に導入されません(BMWは今年からディーゼルモデル導入に積極的になりましたね)。

 2013年は、ホンダやスバルといった国産メーカーからもディーゼルエンジンを搭載したクルマが登場しそうな気配です。あるいはディーゼルハイブリッドカーも導入されるかもしれません。

日本のオトコたちよ、旅に出よ

 今年の大きなトレンドとしてもう1つ注目したいのが、ピーチ・アビエーション、ジェットスタージャパン、エアアジア・ジャパンといった国内線LCCの就航でしょうか。就航キャンペーンとして「片道250円」というビックリ価格が飛びだしたりと、いろいろ話題になりました。

 ところで、LCC=Low Cost Carrierの日本語訳が「格安航空会社」として定着したこともあって「格安チケット」のイメージが先行しましたが、本質的には、さまざまなおもてなしを提供する従来型航空会社とは異なり、効率化を進めてサービスに「コストをかけない(Low Cost)」のがLCCです。その結果、格安チケットになるわけですが、実際に使ってみるといろいろと手数料が発生し、「あれ、安いけど思ってたほどじゃない」となることも。

 また「格安チケットでも、安全面は大丈夫なの? 安かろう、悪かろうじゃないの?」という意見もみられました。3社とも新造機を導入するなど安全面を重視していますが、実際に整備で不祥事を起こして国土交通省から厳重注意を受けた会社もあり、しっかりと立て直してほしいところです。

 LCC就航にあたって、オンライン旅行予約サイト「エクスペディア」の日本語サイトも含め、アジア太平洋地域を統括するエアアジア・エクスペディアのダン・リンCEOに話を聞いたことがあります。

 リンCEOいわく「日本のビジネスマンが有給休暇を取得できず、旅に出られないことは知っている。それでもあえて『旅に出よ』と勧めたいよ。いつもと違う環境、文化に触れて刺激を受けることは、絶対にその後のビジネスで役立つはずだからね」。

 「でも、夕日がきれいで、のんびりできるビーチはあまりお勧めしないな。ぼーっとしていると『重要なメールが来てないかな』『頼んだタスクはちゃんと進んだかな』と考え出してしまうよね。だから、仕事のことなんて思い出せないくらい知的好奇心を刺激する遺跡見学とか、トレイルランニングとかがいいと思うんだ」

 ちなみにエアアジア・エクスペディアでは、有給休暇の翌年への繰り越しができません。そのうえで年間750ドルの旅費を渡して強制的に旅行させているそうです。もちろんリンCEOも例外ではありません。「役職上、完全にオフになるのは難しいのでは?」と尋ねたところ、こういう答えが返ってきました。

 「朝6時30分からの30分間だけメールのチェックをすると決めたんだ。それ以外は完全にオフ。これならベッドの中で寝ている奥さんにも気付かれないからね、旅行は楽しまなくちゃ」。なるほどね。

関連キーワード

2012 | 流行 | 格付け | ビジネステレビ誠


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.