誠編集部が選ぶ2012年のトレンドは?誠トレンド格付2012(1/3 ページ)

» 2012年12月14日 15時00分 公開
[Business Media 誠]

 年末恒例企画の「誠トレンド格付」。Business Media 誠では12月3日まで、「読者が選ぶ2012年のトレンド」として57のテーマをピックアップ、読者からの投票を募集しました。読者の皆さんが選んだ結果は12月19日21時から配信するビジネステレビ誠で発表するのですが、その前に、Business Media 誠、誠 Biz.ID、誠 Style各編集部が選んだ2012年のトレンドについてご紹介します!

Business Media 誠編集部が選ぶ2012年のトレンド

 Business Media 誠編集長の吉岡綾乃です。Business Media 誠編集部が選んだ2012年のトレンドは次の4つです。

  1. ロンドンオリンピック/パラリンピック
  2. 東京スカイツリー開業
  3. レバ刺し禁止
  4. 大河ドラマ「平清盛」

ロンドンオリンピック/パラリンピック

 4年に1回の大イベント、オリンピック。2012年はロンドンで開かれ、世界中の注目を集めました。日本選手が獲得したメダル数は史上最多の38個、このうち7個が金メダルという結果に。

 7つの金メダルのうち4つはレスリングで獲得したもの。日本のお家芸はすっかり、柔道からレスリングに変わったのだなあと感じた読者も多かったのではないでしょうか。

 私も今回、柔道の試合をいくつか見ていたのですが(まったく柔道経験はないです)、今回のオリンピックくらい「柔道とJudoは違う競技なんだなあ」と思ったことはありませんでした。襟を取らせないようにする攻防が続き、手も足もスピードが速すぎて何をしているのか分からず、投げて一本勝ちといった決め方はほとんどなく……カラー道着の導入などを巡り、「柔道とJudoは別物」という内容を論じているテキストを見ることがこれまでもあったのですが、今回は素人目にも「確かに別物」と思わせるオリンピックJudoでした。

 誠でも、オリンピックの話題をさまざまな記事で取り上げています。試合ではなく開会式の話ですが、「窪田順生の時事日想:オリンピックの制服デザイナーが語る、ハンカチへの想い」(参照記事)は非常によく読まれ口コミも多かった記事。面白い記事ですのでぜひお読みください。

東京スカイツリー開業

 5月22日、東京都墨田区押上にオープンした東京スカイツリー。本来は電波塔なわけですが、足元に広がるショッピングモール「東京ソラマチ」(参照記事)とともに、観光施設としても人気を博しています。特に展望台に上るツアーは当初完全予約制ながら大人気。あいにくの雨でしたが、オープン日に駆けつけた来場者による楽しげな写真がSNSにアップされているのもちらほら見かけました。

 これまでの東京の電波塔である東京タワーと比較して「東京スカイツリーと東京タワー、どちらが好きですか?」といった調査記事も掲載しましたが、誠編集部的に気になったのは「スカイツリー開業で、地元はどうなるか」。押上のあたりは昔ながらの商店街が広がる住宅街なのですが(参照記事)、スカイツリーに来た観光客で地元は活性化するのか、それとも集客力のあるソラマチで観光客は満足して帰ってしまうのか。

 現状、周辺の交通機関(電車・バスだけでなく水上バスも)は好調ながら、押上駅周辺の商店街はむしろ客足が減っているとのこと。2年目以降、スカイツリーだけでなく周辺の街も発展してほしい……と願っています。

レバ刺し禁止

 7月1日から、レバ刺しが禁止になりました。より正確には、「牛のレバーを生食用として販売・提供することが禁止された」という内容です。レバーの生食により、腸管出血性大腸菌による重い食中毒の発生が避けられないから……という理由でしたが、レバ刺し好きには寂しい話。6月下旬には駆け込みでレバ刺しを食べにいく人が増え、焼肉店などの提供店はかなり繁盛していました。

 私自身もときどきレバ刺しは食べていたのでもちろん寂しかった(レバ刺しが危険だというなら生牡蠣だって危険だと思いますし、やや大袈裟にいえば「食文化が1つ失われた」わけですし)ですが、ほかにも気になったことがありました。

 1つは「牛がダメなら……」と豚レバーや鶏レバーを食べにいく人が増えたこと。そもそも豚肉は普通の肉も生では食べません。鶏肉も基本的には加熱して食べるものです。豚レバーや鶏レバーは、牛レバー以上に危険な気がするのに、これまで食べなかった人が「豚レバーならいいんだよね」と言っていたのが気になっていました。

 もう1つはレバ刺しが提供できなくなったことで、焼肉店の経営が厳しくなっているのではないかということ。2011年、東日本大震災と節電の影響で外食産業市場は縮小しているのですが、中でも打撃を受けていたのが焼肉店(参照記事)。2012年の結果が出るのはこれからですが、さらに落ち込んでいるのではないかと思うのです。

大河ドラマ「平清盛」

 51作目の大河ドラマとしてNHKで一年間放送された「平清盛」は、12月23日に最終回を迎えます。初回放送後、兵庫県の井戸敏三知事に「画面が汚い」と批判されたことから始まって、話題になるときは大抵「視聴率が悪い」。視聴率が1ケタになることも何度かありました。

 ただ個人的には、今年の大河ドラマはすごく面白いと思っているので、この結果がすごく不思議なのです。少なくとも、去年の「江〜姫たちの戦国〜」、一昨年の「龍馬伝」よりは断然面白い。

 よく言われているように平安時代はなじみがないからダメなのか、あるいは、平家パート、源氏パート、宮廷パートの3パートに分かれてストーリーが進んでいくため、登場人物は多すぎて話を追うのが難しいのか、あるいは……と、「視聴率が低い」という記事を見るたびに納得がいかないでいました。

 そんなわけで私は、平清盛関連の本も何冊か読んだのですが、中でもひときわ面白かったのが、山田真哉さんの『経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書』。以前から「なぜあれほど栄華を極めた平家が一瞬にして滅んでしまったのだろう?」というのを疑問に思っていたのですが、この本はその謎を「宋銭」という意外なキーワードで鮮やかに解き明かす歴史経済ミステリーです。大河ドラマが楽しかった人も、楽しくなかった人も、歴史好きなら手にとって損はないと思いますよ。

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