なぜ発売初日で分かるの? ヒット商品を見分けることができる理由仕事をしたら“お客の顔”が見えてきた(1)(4/5 ページ)

» 2012年11月28日 08時11分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

分析データ、1週間後では遅い

19日間で100万食を突破した「焼パスタ ラザーニャ ボロネーゼ」

倉持:コンビニはフランチャイズビジネスなので、こうしたデータをもとに、お店に「どんどん仕入れてくださいね」とアナウンスしなければいけません。仕入れを増やしていただければ、その結果、棚にラザーニャ ボロネーゼが並ぶ数が増え売れていく。従来のPOSデータであれば「何個売れた?」といった程度のことしか分からなかったのですが、どんな人がどの時間帯に、何を買ったのか。同時に何を買ったのか。そしてその商品を繰り返し買ったのか。といったことが分かるようになり、そのデータをもとに、早期に手を打つことができるようになりました。

土肥:なるほど。ラザーニャ ボロネーゼは歴代パスタの中で、最速の記録で100万食を超えたわけですが、その背景には「このパスタは売れるぞー」といったアナウンスを早くされたわけですね。

倉持:はい。その情報は1週間後では遅いんですよ。新商品は火曜日に発売することが多いので、翌日の水曜日にはレポートを出しています。何らかの理由で遅れたとしても、2日後には出すようにしていますね。

土肥:なぜ1週間経つと遅いのですか? PB商品なので、競合他社が同じような商品をすぐに発売することはできません。

倉持:「この商品はヒットする」「いやヒットしない」――この判断を早くしなければ、商品の“旬”を逃してしまうかもしれません。コンビニでは次々に新商品が発売されるので、商品の“旬”を逃してはいけないんです。

 火曜日に新商品を発売して、水曜日にデータを確認する。そしてスーパーバイザーからお店のオーナーさんへの連絡は、木曜日または金曜日に行います(一部では土曜日もあり)。そして商品が1個でも2個でも上積みされて品切れがないようにすれば、お客さまの不満も解消されるのではないでしょうか。

土肥:火曜日と水曜日はお休みできないですね(笑)。

倉持:絶対に休めません(笑)。

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