「3年で3割が辞める」を食い止めろ――ワークプレイスメント2012

» 2012年11月13日 09時35分 公開
[Business Media 誠]

 “未来創造型就業体験”をテーマにしたイベント「ワークプレイスメント2012」(主催:ワークプレイスメント2012実行委員会)が11月12日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。今回が初開催で、11月13日まで行われる。

 ワークプレイスメントは、学生に就業体験を提供することで、3年で3割が辞めると言われる仕事のミスマッチを解消しようという試み。一般的なインターンとは異なり、ある程度の労働の対価を支払うことで、仕事への責任ある参画をうながすというものだ。

 ワークプレイスメント2012では、150社の企業ブースでの説明会や映像などを通じて、企業の姿と就業体験の中身を学生に理解してもらうことを目的としている。

会場には150の企業・団体がブースを並べた(左)、朝日信用金庫では、個人情報の関係で学生はなかなか受け入れにくいが、来夏くらいからワークプレイスメントを検討していくとのこと(右)

ビーマップではワークプレイスメントで来た女子学生が社員以上の活躍を見せているそうだ(左)、三重県のブースでは県内企業の紹介を行っていた(右)

 同イベントでは企業ブースでの説明会などに加えて、セミナーや講演会も開催。初日のセミナーで、実行委員会を務める日本総合研究所理事長の寺島実郎氏は、「エントリーシートの書き方をうまくすることで人生を切り開いていくより、リアルの世界でアクセスすることが大事。企業経営者の戦略、価値観に耳をすまし、時代認識、行動計画、自分自身が参画すること。いろんな人のアドバイスを受けながら、限られた範囲内で、懸命に集中してみることが、若い、ある一時期に必要だ」とワークプレイスメントの意義を強調した。

 また、ソフトバンクでは今年から実験的にワークプレイスメントを行ったが、同社社長室室長の嶋聡氏は「1400人の応募があり、273人をワークプレイスメントとして採用した。無給だと学生にとっても意味がないし、ソフトバンクにとっても意味がないので800円台の時給を払った。中途半端に、お客さんとして社内見学してもらうだけなら茶番。その結果、当初、ソフトバンクが第一希望だった学生は273人のうち17%だけだったが、終わった後は57%になった。来年も300人規模でやりたいと思っている」とコメントした。

実行委員会を務める日本総合研究所理事長の寺島実郎氏も学生時代、博報堂で就業体験をしたという

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