プラスではこれらの調査を踏まえ、「いろいろなものがスパッと切れるハサミ」の開発に着手しました。
そして、丸くカーブした刃を持ち、固いものから柔らかいものまでしっかり切れる「フィットカットカーブ」が完成し、ヒット商品となったわけです。
この商品の場合、「固いもの、柔らかいもの、何でもスパッと切れるハサミが必要とされているのでは?」というのが「ディープインサイト」だと言えますよね。
ただ単に「よく切れるハサミが必要とされている」という「浅いインサイト」からは、フィットカットカーブは生まれていないでしょう。
「今のハサミはそもそも結構切れ味がいい。それなのに、こんな要望が出てくるのはなぜだろう?」と疑問を持ち、さらに利用実態を深く調べることで、「紙以外のいろんなものを切ろうとするから、うまく切れないこともあるんだ」「だから、いろんなものがスパッと切れるハサミが歓迎されるのでは?」という気付き(=発見)につながったのでしょう。
ヒット商品を生むためには、一見、平凡で何気ないことに目を留め、「なぜだろう」と疑問を持ち、深く掘り下げてみる必要がありそうですね。(松尾順)
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