警備+○○で、ALSOKのビジネスが注目されている新連載・儲かっている企業にはワケがある(2/6 ページ)

» 2012年10月31日 08時02分 公開
[渡辺聡、佐々木靖人,Business Media 誠]

ALSOKの事業の柱

 第1回で取り上げるのは、綜合警備保障です。社名を聞いてピンとこない方でも、「1、2、3、4、あるそっく――」のCM曲とALSOKというサービスブランド名は耳にしたことがあるのではないでしょうか。また、ロンドンオリンピックで熱い戦いを届けてくれた、レスリング55キロ級で三連覇の吉田沙保里選手、同じく63キロ級金メダルの伊調馨選手のスポンサー企業としても知られています。CMにはお2人も登場しており、Webサイトにアクセスしてみるとトップページの一番目立つところでどーんと出迎えされます。

金メダリストお二方の雄姿(出典:ALSOK)

 ALSOKのCMを見る限り、ホームセキュリティ、オフィスセキュリティの会社と捉える方が多いでしょう。また「工事現場でロゴを見たことがある」「そういえば会社のビルの警備員もALSOKだったような……」という方もいらっしゃるでしょう。

 売上的な見方でALSOKの事業の柱は機械を使っての警備を行うセキュリティサービスですが、元々は人員を現場に配置しての警備事業で伸びてきた会社です。沿革のページを見ても、大阪万国博覧会の警備、札幌オリンピック冬季大会の警備など大規模イベントや重要国際会議での警備実績が多く記載されています。短期的に大量の警備ニーズが発生したとき、警察だけではカバーしきれない大型事案を民間事業者として力強くサポートすることで事業を拡大させてきました。面白いところではローマ法王ヨハネ・パウロ 2世の身辺警備も行ったようです。

 このようにALSOKのアイデンティティは、機械警備というより、警備員を派遣しての人的警備なのです。

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