警備+○○で、ALSOKのビジネスが注目されている新連載・儲かっている企業にはワケがある(1/6 ページ)

» 2012年10月31日 08時02分 公開
[渡辺聡、佐々木靖人,Business Media 誠]

著者プロフィール:

渡辺聡(わたなべ・さとし)

 神戸大学法学部卒。NECソフトを経てインターネットビジネスの世界へ。2008年にクロサカタツヤ氏と共同で株式会社企(くわだて)を設立。現同社代表取締役。大手事業会社からインターネット企業までの事業戦略、経営の立て直し、テクノロジー課題の解決、マーケティング全般の見直しなどのコンサルティングサービスを提供している。現在、Business Media 誠で「ビジネスノベル新世紀」を連載中。主な著書・監修に『マーケティング2.0』『アルファブロガー』(ともに翔泳社)など。Twitter:@swmemo


佐々木靖人(ささき・やすと)

2006年、California State University,

Bakersfield卒業後、コンサルティング会社に入社。アナリストとして企業の戦略立案、効率化支援業務、財務アドバイザリー業務、資金調達支援業務などに従事。2009年、レオス・キャピタルワークス入社。中小型エリアを中心に幅広いセクターの企業調査を実施。特にITへの理解は深い。


 会社が行き詰まってしまうのはなぜですか? この問いにシンプルに答えるなら、商売がうまくいかなくなって赤字が積みあがって払いきれなくなったから、ということとなります。逆に言えば「きっちり稼ぐこと=利益を上げること」を維持できていれば会社は存続できます。これは企業の有名無名、大きい小さいに関わらず通ずる単純な真理です。

 時代の変化に対応して、事業を傾けないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。優れたビジネスを展開している会社や情報収集を怠らないようにニュースに目をこらす。話題の会社や流行っているモノは漏れなくチェックする。このようにしていれば時代に対応できる……とは言い切れません。

 テレビや雑誌などで取り上げられている企業は、業績が良く、儲かっているところばかりではありません。メディアが動くのはニュース性があること、目新しくて話題を呼んでいるかどうかが一義です。本当に強い会社はメディアの露出が必要ないことから、知名度が低いことも珍しくありません。例えば、繁盛していて評判のおいしい店をいくつか思い浮かべてみてください。繁盛の具合とメディアの露出は比例するでしょうか。地元の評判店など、広告も打ってないし雑誌に取り上げられるようなことはないけど、いつ立ち寄っても席を見つけるのが難しいという店があるかと思います。こういった形で、メディア的知名度と商売の堅調さにギャップがあるのは、落ち着いて儲かってる老舗企業によく見られる傾向です。

 また大手企業でも「あの商品で儲かっている」と多くの人が思っていても、実は違うサービスが稼ぎ頭であったりします。このようにメディアがあまり取り上げない情報を「知る」には、どうすればいいのでしょうか。そこで儲かっている会社を探すプロ……若手ファンドマネージャーと一緒に企業探訪をしてみましょうというのが本連載のコンセプトです。

 投資ファンドといえば派手なイメージがありますが、実は地道な仕事が多いのです。彼らは日々、コツコツと企業分析を行い、会社を訪問しインタビューを重ねています。そんなファンドマネージャーたちはどんな会社、そしてどのようなビジネスモデルに注目しているのでしょうか。彼らが注目する企業を通して、稼げるビジネスとは何かを一緒に探していきましょう。

『儲かっている企業にはワケがある』について:

 本連載は銘柄推奨的なものではありません。見どころのある会社なり事業を取り上げていきますが、即ち投資して儲かるということは意味しません。仮に隙なく優れたビジネスモデルを維持できていたとしても、株価水準やタイミング、成長期待の折り込みなどその他ファクターを考慮する必要があります。参考にして頂くのは非常にありがたい限りですが、あくまで参考程度というのをご理解ください。


       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.