角田美代子容疑者に“戸籍ロンダリング”を伝授したのは誰なのか窪田順生の時事日想(3/3 ページ)

» 2012年10月30日 08時00分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]
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養子を組んだ人間同士で“共犯”になれる

 かつて養子縁組ビジネスをしていた暴力団関係者が言う。

 「養子縁組ビジネスのいいところは、家族の問題にできるので警察の介入を防げるということだが、ほかにもう1つある。養子を組んだ人間同士で“共犯”になれること。勧めた多重債務者が今度はブローカーになって、ほかの多重債務者に勧めるなんてことも多い」

 ということは、養子縁組の悪用を繰り返すということでファミリーの結束が強まり、巨大な犯罪集団へと拡大していったということではないのか。

 角田美代子容疑者がいったい何をしたかったのかはまだ分からない。だが、あの人物相関図を見ていると、彼女が明らかにプロの手口を使っていることだけは分かる。

 報道によると、これまで彼女は「月岡」「東」と姓を変えたというが、本当にそれだけなのか。飲み屋で一緒になった知人が過去のことを聞いたら、異様に怒ったとインタビューで答えていた。

 先ほどの暴力団関係者が述べたように、“戸籍ロンダリング”はまるでネズミ講のように共犯者を増殖させていく。そこで、「親ネズミ」が本当に角田美代子容疑者なのかという疑問が浮かぶ。

 彼女自身がどこかのタイミングで何者かの“共犯”となって、この支配と殺人のスキームを伝授された可能性はないか。本当の黒幕はどこかでほくそ笑んでいるのではないか。何だかそんな気がしてならない。

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