コラム
» 2012年10月30日 08時00分 UPDATE

商品は“夢”を与えなければならない (1/2)

人は、商品が実現してくれるかもしれない「理想」(to be)を夢見て購入するのであり、「現実」(as is)を提示されてもワクワクできないものです。

[松尾順,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:松尾順(まつお・じゅん)

早稲田大学商学部卒業、旅行会社の営業(添乗員兼)に始まり、リサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャー、システム開発会社などを経験。2001年、(有)シャープマインド設立。現在、「マインドリーディング」というコンセプトの元、マーケティングと心理学の融合に取り組んでいる。また、熊本大学大学院(修士課程)にて、「インストラクショナルデザイン」を研究中。


 このところ、積極的に広告展開しているサントリーの健康食品、「セサミンEX」は男女2人の後姿のヌードが目を引きますね。アテンション(注目)効果はバッチリです。

 ただ、この男女の引き締まった若々しいからだつきから見て、おそらく30代前半くらいでしょう。ひょっとしたら20代かもしれません。

 セサミンのメインターゲットは40代以上ですから、メインターゲットからは、10歳以上も若いモデルを登場させているということになりますね。

 過去のセサミンの広告(テレビCM、新聞広告)は、公式Webサイトで閲覧できます。2011年は当時45歳の前田典子さんでした。それ以前は登山家の三浦雄一郎さん(当時78歳)、女優の浜美枝さん(当時67歳)など、メインターゲットと同世代の著名人が登場していました。

 ところが、昨年は40代の前田さん、そして今年はおそらく30代と、広告に起用するモデルを大きく若返らせています。

 健康食品は、体の衰えを感じ始める中高年が、強い関心を持つ商品カテゴリーであり、「若くありたい」「元気でいたい」といった欲求を充たしてくれそうという「期待感」で購入するものですね。

 その時、頭の中にイメージしているのは、「今の自分」(as is)ではなく、若者のような、引き締まった体や、ハリのある肌を取り戻している「理想の自分」(to be)なのです。

 従って、広告においては、「理想」=「夢」を提示してあげた方が、より強く購入意欲をそそることができる。セサミンの近年の広告の背景にはそんな判断があるのでしょう。

       1|2 次のページへ

Copyright (c) 2017 INSIGHT NOW! All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

ITmedia 総力特集