長期保有のメリットが浸透? 金地金の買取量が激減

» 2012年10月29日 13時30分 公開
[Business Media 誠]

 田中貴金属工業は10月24日、2011年1〜9月の金地金とプラチナ地金の同社における販売・買取状況を発表した。

 金地金の平均価格は1グラム当たり4259円で、前年同時期の1グラム当たり3991円を6.7%上回った。米国の超低金利政策の延長が発表されたことなどから2月に今年最高値の1グラム当たり4664円を付けたが、中国の景気減速感による宝飾需要の弱まりから、その後、値を下げた。

 金地金の売買状況は、販売量が前年同時期比29.3%減の1万8804キロ、買取量が同63.9%減の2万198キロ。特に買取量が大きく減少しているが、田中貴金属工業では「資産形成として金の長期保有の有用性が浸透しているとともに、昨年最高値の1グラム当たり4745円の印象の強さからくる様子見の傾向がうかがえる」と分析している。

金地金の売買状況(出典:田中貴金属工業)

プラチナ地金の売買状況に大きな変動はなし

 プラチナ地金の平均価格は1グラム当たり4021円で、前年同時期の1グラム当たり4717円を14.8%下回った。プラチナはディーゼルエンジンを中心にした自動車の排ガス浄化装置に利用されているが、欧州財政問題に対する不安感の高まりや、中国の景気減速感による自動車販売鈍化の影響で値を下げたようだ。

 プラチナ地金の売買状況は、販売量が前年同時期比1.0%減の6087キロ、買取量が同2.7%減の3128キロ。金地金ほど大きな変動はないようだ。

プラチナ地金の売買状況(出典:田中貴金属工業)

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