「来店」というハードルを越えた後は、店内での「楽しさ」で買いたい気分をつくります。ショッパーは、店内で論理的思考に陥ると買う気が半減してしまいます。
スーパーの入口付近に果実や花が置いてあるのは、カラフルで華やかな印象を与えて気分を盛り上げるためです。赤い色はよく気持ちが高揚すると言いますよね。感覚や感情をつかさどる右脳に訴えることで、買う気分を高めているわけです。
筆者が最近見た「店内の楽しさ」演出に、カールおじさんが店内を練り歩き、お客さんと触れ合うということがありました。店頭に着ぐるみが立っていて抽選会をするというのはありますが、店内をうろうろしているのは初めてみました。買い物している人の背後にひょっこり現れて、びっくりさせていましたが……。ある意味、非日常の体験であり、楽しい雰囲気づくりにもつながっています。
もう1つ事例を紹介します。バレンタインの時期に某スーパーで行われていたデコレーションしたポッキー「デコポッキー」づくりの体験教室です。こういうちょっとしたイベントは楽しい雰囲気づくりだけでなく、子どもにとって楽しかった記憶となり、「また、あそこの店に行きたい!」というリピート要因にもつながります。
このように、安さの演出は来店のハードルを解消し、楽しさの演出は購買のハードルを解消し、節約志向と納得志向を併せ持つショッパーに買う言い訳を与え、サイフのひもを緩ませることにつながるのかもしれません。
いいモノをより安く、そして楽しく買って、満足したい。そんなショッパーのワガママな感情を満たすことができれば、タイガーのように「売れて売れて仕方ない」という状況をつくりだせるでしょう。
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