業種や職種によって違う、転職しようと思った理由(1/2 ページ)

» 2012年10月23日 00時00分 公開
[Business Media 誠]

 あなたはなぜ転職をしようと思ったのですか? 2012年上半期(4〜9月)に転職活動を行った人(DODAに登録している約3万人)に聞いたところ、調査を開始した2008年以来初めて「ほかにやりたい仕事がある」(12.7%)が「会社の将来性が不安」(12.5%)を抜き1位になっていることが、DODAの調査で分かった。

転職しようと思った理由(出典:DODA)

 2008年以降の転職理由を見てみると、リーマンショックを機に急増した「会社の将来性が不安」と答えた人の割合が、2009年上半期をピークに減少し、2012年上半期にようやくリーマンショック以前(2008年上半期)の数値に戻った。一方、「ほかにやりたい仕事がある」は、2008年以降右肩上がりに増加している。

 転職理由の1位と2位が入れ替わった背景に、「景気や会社の業績が上向き始めたことで会社に対する不安が軽減されたことと、仕事を選ぶ軸として『仕事内容(やりがい)』に重きを置く人が増えたことの、2つの要因が合わさったためと言えそうだ」(DODA)

 3位以下を見てみると、前回に引き続き「給与に不満がある」(7.6%)。「これは、リーマンショックやタイの洪水などの影響による業績悪化でカットされていたボーナスや給料が、元に戻り始めたことが背景にある」(同)

転職理由の経年変化(半期ごと、出典:DODA)

業種によって違う転職理由

 業種によって転職理由はどのような違いがあるのだろうか。「IT/通信/インターネット」は「専門知識・技術を習得したい」(8.2%)や「市場価値を上げたい」(5.5%)など、スキルアップを希望して転職する人が平均より多い。「日々新たな技術が生まれる業界だからこそ、最新のノウハウや高度なスキルを身につけたいと考える人が多いと考えられる」(DODA)

「IT/通信/インターネット」の転職理由(出典:DODA)

 「金融」は「顧客のためになる仕事がしたい」(6.1%)や「ノルマが厳しい」(2.9%)が平均を上回った。一方、「会社の将来性が不安」(9.0%)や「給与に不満がある」(6.2%)といった転職理由は平均より少なく、安定性や待遇については他業種より満足していることが見受けられた。

 「メーカー」は「会社の将来性が不安」(16.0%)という理由で転職する人が、他業種に比べて最も多い。「メーカーは自動車、家電、食品など分野ごとに、景気や社会情勢によって需給バランスが変動しやすい業界。昨今では、自動車分野が伸びている一方、家電分野は低迷が続いている。自社製品の需要低下や、自身の専門領域の事業が撤退・縮小されることに不安を感じて転職する人が多いようだ」(同)。

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