非オタク層も巻き込んだ!? 2011年オタク市場は前年比12.5%増

» 2012年10月15日 14時40分 公開
[Business Media 誠]

 矢野経済研究所は10月15日、オタク市場※に関する調査結果を発表。2011年は18分野のうち13分野で市場規模が拡大、前年比12.5%増の8920億円となったことが分かった。

※オタク市場……矢野経済研究所では、一定数のコアユーザーを有するとみられ、「オタクの聖地」である秋葉原などで扱われることが比較的多いコンテンツや物販、サービスなどを指すと定義している。

 同研究所では「コアユーザーを確実に取り込みつつ、リーズナブルな商品・サービスを提供することで、エントリーユーザーやライト層、非オタクである一般層を獲得し、堅調に推移している」と分析している。

オタク市場分野別市場規模推移と2011年度市場概況(出典:矢野経済研究所)

 分野別に見ると、最大市場である「オンラインゲーム」が前年比29.2%増の3868億円と大幅増で市場全体をけん引。ヘビーユーザー向けのコンテンツは頭打ちだが、ソーシャルゲームの急成長で市場拡大が続いているという。

 また、一般女性をターゲットとした携帯電話向け恋愛ゲームが好調な「恋愛シミュレーションゲーム」が前年比30.4%増の146億円、関連商品の発売や二次創作が活発な「ボーカロイド」が同14.5%増の63億円、AKB48やその関連グループが人気の「アイドル」が同13.1%増の630億円、非オタク層をメインターゲットとした店舗が市場をけん引している「メイド、コスプレ関連サービス※」が同10.8%増の103億円と、それぞれ10%以上の成長を示している。

※店員がメイド・執事などの服装、またはそのほかのコスチュームを着用して接客・サービスを行う飲食店やサービス業のこと。ただし風俗店は除く。

 矢野経済研究所ではオタク市場の今後について、「コアユーザーであるオタク層と、分野により一般層を取り込み、今後も堅調に推移すると予測するが、次第に成熟していくとみる。国内市場は人口減少などにより、経済成長の鈍化が見込まれ、事業者各社ともに成長を維持するためには海外市場への進出が不可欠である」とコメントしている。

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