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» 2012年10月08日 08時00分 UPDATE

サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:「お話しする機会」というセリフが、就活好きな就活生を生み出している (1/3)

個人情報保護の概念が浸透したことにより、意外な形で影響を受けている就活生たち。そこから生まれたのが、就活生と社会人の接点を作る交流会であり、前回取り上げた「就活好きな就活生」でもあるのです。

[サカタカツミ,Business Media 誠]

連載「就活・転職のフシギ発見!」とは?

 就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。

 使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。

著者プロフィール:サカタカツミ

 クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』『就職のオキテ』がある。

 個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントに辛いです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata


ay_sakata01.jpg (写真と本文は関係ありません)

 カレンダーではもう秋なのに、まだまだ暑さが残っているある日の話。編集長の吉岡綾乃さんは、暑さに似合うタイ料理を食べながら、前回の私の記事についてこうコメントしました。

 「ネットでの反応を見ていたら、採用を支援する人たちからネガティブなコメントが付いていましたね。読まれているのはうれしいですが、炎上するほどのページビューではなかったですね」……むむ、サラリと胃が痛くなることをおっしゃる。

 こういう感じで、お会いして批判いただくということはとても重要なことですが、前回取り上げた「就活が大好きな就活生」は、直接「お話をする機会」によって産み出されているということを思い出したので、今週はそのお話をしてみましょう。

「社会人との接点を作る」ことに執心する人たち

 就活生を支援したいと考えている人たちはたくさんいます。「就活生支援」というワードで検索してみると、あらゆる支援があることに驚くでしょう。ボランティアで運営されるものもあれば、有償のところもある。就活生のサポートは無料だけれども、その場所そのもの(カフェなど)は有償だったり、そこに集まる就活生を利用して、別のビジネスをしたり(アウトソーサーと呼ばれる人たちが多い)、ちょっと複雑なスタイルを取っているところもあります。こういう例をたくさん見ていくうちに、「就活ビジネス=就活情報サイト」とは限らないということに気づくのです。

 そんな中で「社会人と学生の接点を作る」ということを目的に掲げ、支援する人たちがいます。今度は「就活生 交流会」というワードで検索してみましょう。結果を見ると「世の中ではこんなに就活生向け交流会が開かれているのか」と、周辺の事情を知らない方はビックリするはずです。

 就活生向け交流会という場所では何が行われているのかというと、基本的には「交流」です。……と書いてしまうと身もフタもないのですが、就活生、内定者、社会人(採用担当者とは限らない)が集まり、話をするというスタイルが多いです。コンテンツがよく練り込んである会では、内定者の振返りスピーチや、社会人による講演(のようなもの)が用意されます。ただ、これらはあくまでオマケであり、目的は「交流」です。

 こういう場の主催者に話を聞くと、ほとんどが同じセリフを口にします。「就活のひずみを解消しないと、若年層の早期離職は防げないと思います。学生時代から社会人と接点を持ち、働くことを理解できる機会を提供することで、世の中が変わります」言葉は違っても、皆こういう意味のことを熱く語ります。

 要は「世間知らずの就活生に、ビジネス社会を見せることが大事」だということなのですが、ここで一つの疑問が生まれます。わずかな時間、一緒にお酒を飲んで内定者や社会人と話をする中から、たとえ事実のようなものがチラっと見えたとしても、就活生にビジネス社会の何が分かるのでしょうか?

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