コラム
» 2012年10月05日 08時00分 UPDATE

“成長したい欲求”を充足できる商品・サービスを考えよう (1/2)

新たな製品・サービスのヒントを得る上で、消費者の「成長欲求」に着目してみてはどうでしょうか?

[松尾順,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:松尾順(まつお・じゅん)

早稲田大学商学部卒業、旅行会社の営業(添乗員兼)に始まり、リサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャー、システム開発会社などを経験。2001年、(有)シャープマインド設立。現在、「マインドリーディング」というコンセプトの元、マーケティングと心理学の融合に取り組んでいる。また、熊本大学大学院(修士課程)にて、「インストラクショナルデザイン」を研究中。


 先日、人の基本的欲求として最も有名な「マズローの欲求階層説」をご紹介しました。

 このマズロー説は人の欲求を理解する上では非常に有益だと思います。しかし、ビジネスに役立つ知見を引き出すという点から見ると、もうひとつ「ピンとこない」ところがあると私は感じています(恐らく「承認の欲求」といった固めの表現のために、 製品やサービスのアイデアと結び付けにくいのかもしれません)。まあ、そもそもビジネス向けに考えられた理論ではないので、仕方のないことですが。

 さて、マズローよりも単純ながら、新たな製品・サービスの開発に取り組む際に、よりピンとくる理論があります。心理学者、アルダファーの「ERG理論」です。これは、人の欲求を以下の3つに大きく分類したもの。

1.生存の欲求(Exsistence)

 文字通り、食欲、性欲など、生命を維持したり、子孫を残すための欲求。

2.関係欲求(Relatedness)

 言い換えると「集団欲」です。人とつながっていたい、認められたいとった欲求。

3.成長欲求(Growth)

 文字通り、成長したいという欲求。詳細は後述します。

 まず、「生存欲求」とは、とにかく生きるために必須のものを求めることですから、解説は省略します。

 2番目の「関係欲求」は群れを作り、集団で行動することが本能となっている社会的動物である人間にとって、やはり極めて重要な欲求です。

 人は、孤独でもなんとか生きることはできますが、生きる「意味」を見出す上で、他者との関係性を作り、維持することが心身の健康の上で必要だからです。ソーシャルメディアは、関係欲求を充足する上で大きな役割を果たしていますね。

 現代文明の進展は人間関係の希薄化や分断化を招く結果となっているので、「関係欲求」を充足してくれる製品・サービスに対する需要はますます高まるでしょう。

 そして3つめの「成長欲求」は、「身体」や「頭脳」をより強く、より賢くしたいという欲求だと言えます。

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